いきおくれ女子いろいろウォッチ

映画の備忘録として

恋の残り香-1月に見た映画その2 詩人の恋

1月は18本ほど映画を見ました。

大当たり(鬼滅)、当たり7本、いいんじゃないでしょうか6本、そうなんですね4本って感じです。

「詩人の恋」はチラシから想像していた映画と全く違うものでしたが、とてもよかった。

チラシは、男性2人と女性1人のバストショットが3等分の3段になっていました。ベージュが基調の明るい色味のチラシでした。韓国映画なので、ホン サンス的な、おされ三角関係映画だと思って見に行きました。はっきり言って、あんま興味なかった(チラシのあらすじとか読まなかった。)のですが、主演がヤン イクチュンだし、とりあえず見とくべか、時間丁度いいし、程度で見に行きました。

男2人が女を取り合うコミカルな映画だと思って、大して期待していなかったんですよ。チラシの印象はそんな感じだったので。

以下、あらすじと感想。

 

かつて出版した詩集が文学賞を受賞したこともある詩人。今は非常勤講師として働きながら、同人会では詩を「美しいだけ。浮世離れしている。」と酷評され、生活は妻の稼ぎに頼る日々。子供を望む妻からは強引に迫られるが逃げ回り、妊活への協力を強いられる中、近所に出来たドーナツ屋のドーナツにはまって通い詰める日々。やがてドーナツ屋の店員 の青年と顔見知りになり、彼の家庭環境を知り、心の痛みを知り、心を通わせていく…

 

ドーナツ屋の店員は、最初は礼儀正しい、どこか憂いを秘めた青年として登場する。

対する詩人は、自堕落なぽよぽよのお腹にもかかわらず大好きなドーナツの箱を一人で抱えて貪り、ボサボサ頭でぽやんとしており、周囲からは大人の男としての責任感や自覚の無さを指摘されている。(が、逃げ回っている。)

詩人はある時偶然、ドーナツ屋の店員の家庭環境を知る。寝たきりの父、父にも子供にも思いやりも理解も示さないがさつな母、貧しい生活。そして、友達からも浮いている。

周りから理解されず、居場所が無く、心の奥底にどうしようもない虚しさを秘め、いっそ逃げてしまいたいのだがしがらみがそれを許さず、自暴自棄になることも出来ず、ただ苛立ちを募らせる孤独な日々。

おそらく詩人は、自らの苛立ちや孤独をドーナツ屋の店員に重ね、なんとかして手助けしたいと願う。そんな詩人を周囲は理解しない。そして詩人は、ドーナツ屋の店員にここではない、こんな田舎町ではないどこかへ逃げようと言うが、結局は拒まれてしまう。

やがて二人は離ればなれになり、月日は過ぎ、再会する。詩人は新しい詩集を出版し評価され、一児の父となっている。ドーナツ屋の店員は、新しい人生を歩みだしており、かつての孤独な青年ではなく、大人(になりかけ)の男になっていた。詩人もまた、自らの人生に向き合い、大人(になりかけ)の男になっていた。

そして、ラストシーン。これがとても良かった。

ドーナツ屋の店員と再会した後、柔らかな午後の陽射しが差し込む部屋で子供を見つめる詩人。そして一筋の涙をこぼす。

その一筋の涙に、ああ、あれは恋だったのたと、あの出会いの時、冬の陽射しの中の青年の美しい横顔に見惚れたのは確かに恋だったのだと、思った。

全てが過ぎ去り、最早青年期は終わり、そして終わりを迎えた恋の残り香を感じた。

 

昨年末にみた「燃ゆる女の肖像」も、ラストシーンが素晴らしかった。

この映画は、離島で貴族の娘エロイーズとその見合いのための肖像画を描く女流画家マリアンヌの恋の物語だ。

エロイーズは見合いに消極的で、肖像画を快く思っていないため、マリアンヌは盗み見るようにして、肖像画を描こうとするが上手くいかない。やがてエロイーズは肖像画を描くことを認め、二人は親密さを増していく。その過程が、二人の視線の交わりで表現されている。

やがて肖像画は完成し、二人はそれぞれの世界へ戻っていく。

最後に二人は劇場で再会するのだが、見合いで結婚し人妻となったエロイーズはマリアンヌに気が付かない。二人の視線は、二度と交わる事は無い。ただ、マリアンヌの視線のみがエロイーズを見つめる。その視線から、私達観客はマリアンヌの恋の終焉をみる。

恋の残り香は甘く苦く、余韻が続く。そんなラストシーンだった。

 

映画として、完成度という点では、圧倒的に「燃ゆる女の肖像」の方が上であると思う。映像の美しさ、構成、全てが上。

だが、ラストの切なさは私には甲乙つけがたいもので、どちらも素晴らしかった。

両方とも監督は女性で、男性の繊細さとは少し違う、女性らしい繊細な作品だった。

 

さて、「詩人の恋」のドーナツ屋の店員は、「藁にもすがる獣たち」で嬢の旦那を殺すDQNをやってました。全く違う雰囲気でしたが、どっちもよかったです。いい役者さんですね。

「藁にもすがる獣たち」は時系列が前後するので、そういうのが苦手な人は楽しめないかもしれないけど、役者がみんな芸達者でキャラが立っているので物語がわかりやすく、テンポがよくて、軽く楽しむのには丁度いい映画だったと思います。

 

美しい映画のない人生なんて味気ないものですが、サクッと後腐れなく楽しめる映画のない人生もまた、ひどくつまらないものになってしまうと思います。

 

いや〜、月並みですが、映画ってやっぱいいもんですね。

 

 

煉獄さんLOVE -1月に見た映画その1

なんか「鬼滅の刃」がすっごい人気で、興行収入ジブリを抜いて歴代1位とかなんとかで、ものすっごいというじゃないですか。まぁ、私も映画おたくとして流行りもんは押さえとかなきゃな、くらいの軽い気持ちで見にいったんですよ。混んでいるのを避けたかったので年が明けてからなんですけど。

私ももうジャンプとかそんなもんに熱狂するような年でもないし、まぁ、とりあえず見とくべよ、くらいの適当な感じです。

あと、シネフィルやサブカル界隈って、アニメをバカにしがちじゃないですか。最近そういうのにウンザリしていたのもあって、シネフィルやサブカル界隈があまり評価していないアート系ではないアニメをこれからは少し見てみようと思い、昨年末くらいから月イチはアニメを見るキャンペーンを始めていたので、見に行きました。

(ちなみに、月イチアニメキャンペーンは、まず「ヴァイオレットエヴァーガーデン」は苦手なタイプの少女漫画だったので敗れさりました。「エヴァンゲリオン」を初めて見ましたが、1はメンヘラはムリ…で敗れさり、2は始めのうちは大丈夫だったのですが結局メンヘラはムリ…で敗れさり、3は面倒くさくなって見ませんでした。シンは一応見ようと思ってますけど、3見てなくても大丈夫っすかね?)

 

サブカル界隈って、関係ない人から見るとオタクと変わらないように見えると思いますが、全く違うんですよね。そして、サブカルの人達は自分達のセンスがナニなところを棚に上げて馬鹿にしているダサいオタク(わしら)と同じように扱われる事を非常に嫌がっているように思います。オタクの私からしたら、どっちもどっちだと思いますが。

彼らのいくつかの政治的な発言や振る舞いは、あまり政治に興味がない保守中道のオタクの私からは、賛同しかねます。インターネット的に言うとリベサヨ的な発言というのでしょうか。

ま、それは、その意見には同意出来ない、程度のことです。どうでもいい事です。世の中色々な意見があって当たり前ですから。

私が嫌だと思っているのは、最近の映画には、作品のクオリティ以上に評価されている映画があることです。人気のある俳優が出演している、などという理由ではなく、なんというか、政治的主張が過度に評価されている映画があると思うのです。

映画は本来その作品のみで評価されるべきであると思います。それなのに、作品のクオリティではなく、それ以外の部分で過度に評価されている作品があります。私は、政治的な主張に賛同出来ない事以上に、作品のクオリティ以外の部分で評価されている作品について、非常に不快に思っています。

はっきり言うと、左派から過剰に評価されている作品が、非常に不快です。

左派から評価されている最近の映画の、私の感想は大体こんな感じです↓

「新聞記者」ショボい。スケールが小さい。グランドスラム作戦かよ、って思いました。(スケバン刑事の最後のやつです。ずーっとグランドスラムグランドスラムって言っていて、どんなにすごい陰謀かとワクワクしていたら、あれですからね。子供心にガッカリっちゅうか怒り狂いましたわ。それ以来何十年も、ショボい陰謀は全てグランドスラムと言っています。それくらい恨んでいます。)もう少し娯楽作として楽しめるように派手に作るか(そうすると予算バイバイマン、キネ旬圏外、ワシ大好物のいんぼーろーんワハハ)、もう少しリアルに作って欲しい。

役者はいい。松坂 桃李は今一番期待している死んだ魚の目のイケメン。最後の目の死にっぷりは良かったです。あのシーンのためだけにチケット代を払ったと思いました。

大したことない映画ですが、謎の高評価。キネ旬1位でしたっけ?どいうこと?

「はりぼて」小さなTV局が地方政治の不正を暴くっちゅうドキュメンタリー映画らしいです。

でも、あんなのきっと地元では公然の秘密とかそんなのだったんじゃぁないですかね。ショボいネタなんです。昔はそれでも良かったかもしれないけど、今時コンプラ的にどうよ?程度の話ですよ、あんなの。それをなんかモリモリにして、不正を暴く!!って、「あ、はあ。」って感じになります。映画じゃないよ、あんなの。日曜日の午後にTVで垂れ流してろ、ってスタバでJKが言ってました。あれ、ルノアールだっけ?

最後に一人のアナウンサーが「これは私のやりたかった事ではない。」と言って去っていくんですが、あれが保守中道の感覚だと思います。

この映画の唯一の見どころは、最初はふんぞり返っているお偉い名士の議員先生が、やがて泣いて謝罪ってのが繰り返されるとこですかね。私はゲスいので「がははは〜」って笑っていましたけど、普通の健全で善良で良識ある保守中道の方達には、あれは非常に不快だと思います。だって下品じゃないですか。私は自分のゲスさを自覚してあれを楽しみましたが、無自覚にあれを並べ立てて見世物にするのはいかがなものかと思いますよ。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」リベサヨのダメなところ全部のせの映画です。いや、もう酷いもんです。ドキュメンタリー映画としても、評価すべき点が全くありません。しかし、これも一部で謎の高評価。なぜ?

この映画で唯一おっ、と思ったのは、小川氏が玉木氏を「あの人とは組めない。」って評していたとこでしょうか。おっ、玉木氏いけてるの?って思いました。

そしたら、国民民主党が立憲と合流しない、っていうじゃないですか!ブラボー!!

頑張れ玉木!政権交代とかいう寝言を言わず、アホな候補を立てず、つまらないパフォーマンスをせず、ぐろーばるとかふぇみとか横文字使ったクソな主張をせず、真面目に政策を主張して頑張ってくれ!そうしたなら、わしら40%の無党派層、日本の真のリベラル、保守中道が君達を応援するぞ!!(主語が大きい)我々が期待しているのは、政権交代とかじゃない。そんなもんは無意味だという事は骨身にしみた。我々が期待しているのは、現在の公明党の立場になれる政党だ。頼む!!(主語が大きい)

あー、こんな映画達の話をしてもしょうがないわ。

故若松監督なんかは根性の入った左派だから、作る映画も面白かったんですよ。あと、若松監督の映画は生き様を見ている、って感じも良かったです。心が強くて頑固な感じで、根性入っている監督でした。今時の自称左派の人は、なんかいい事言ってる感じで褒めてもらいたい人ばかりのように見えて、私はあまり好きではありません。

 

そんで鬼滅ですよ。

いや、もう最高でしたよ。

鬼滅の刃」は最高!!でした!!

漫画もTVアニメも見ていないし、下調べもしていないので(予備知識が無いと楽しめない映画はクソ)最初はよくわからなかったので「ふ〜〜ん」程度でしたが、後半はノリノリ。最後は、私の中の全童貞が泣きながら両拳を天高く突き上げて「煉獄さ〜ん」って叫んでました。

マジで煉獄さん格好よすぎ。

マジで鬼滅面白かった。もう一回見たい。

ところでちょっとググってみたら、無限列車編って全然最初の方なんですね。鬼滅全23巻中の10巻未満…するってえと、煉獄さんは生き返るんですかね?だってジャンプですよね??神龍でてくるんですかね???

 

(追記)

1〜3月は緊急事態宣言が出ていたので家にずっとこもっていたし、36協定の関係で残業が出来ないけど仕事はあるよん、という状況だったので少し荒んでいました。人を小馬鹿にした表現を訂正します。

 

頭がパックリ割れましたーコロナの時代の通院それから2020のまとめ

いや〜2020年は本当に大変でした。

3月くらいからずっと家にこもっているのでマジで色々辛いのですが、新型コロナに関しては私なんぞよりよっぽど大変な方達が沢山いらっしゃると思います。それでも私は私なりに色々辛かったです。

ずーっと在宅勤務で、そのため運動不足でぷよぷよ肥え太り、おかげさまで人生最デブ記録を更新…私は食べても食べても太らず、自称・高校球児の胃袋、他称・フードファイターとまで呼ばれていたのに…ぷよぷよ

しかし上には上がいます。会社の人に「太りました〜」と言うと、「5K太った」とか「10K太った」とかいう恐るべき返事が返ってきます。意味がわからない。私は体質でそんなに肥え太る事は出来ません。でも、お正月太りも重なり、人間ドックでは昨年比2K太っていました…洋服のサイズ的にはもっとヤバイ…ぷよぷよ〜。

まぁでも、私的に一番辛かったのは頭がパックリ割れちゃった事ですかね。

コロナの始まりのころに銭湯で貧血起こしてぶっ倒れまして、完全にブラックアウトしたので全く受け身を取れず、後頭部をモロにうちました。しかも排水の金具のとこ。そんでパックリいっちゃった訳です。

パックリっていうのは、救急搬送された病院でお医者さんに言われました。

通院した会社の側の病院でお医者さんに傷を初めて見せた時に「状況がわからない…」と言われたので、経緯を説明した後「救急搬送された病院ではパックリいってると言われました。」と言ったところ「確かにパックリいってるね〜」とお医者さんと看護婦さんにうけたので、多分パックリいっちゃっていたんだと思います。知らんけど。

とにかく傷の治りが悪くて、肉が盛り上がってこなくて傷がなかなかふさがらず、傷がふさがったかと思うとまた血を吹き…を約1ヶ月以上繰り返しました。なんか、スパッと割れたような傷は治りやすいみたいなんですけど、私の傷は打ちつけた破裂したような傷なので、ふさがりにくいとの事でした。知らんけど。まぁ、確かに傷あとはジグザグのY字になってました。無理矢理寄せ集めて縫い合わせた、って感じでした。ちなみに、4針の傷です。

そして、4月の緊急事態宣言直前に「最初の縫合の時に雑菌が入っているのかもしれない。傷の周りを抉って綺麗にしましょう。」という事になり、なんか手当てしてもらいました。知らんけど。

なんか傷の周りを抉ったらしいので傷は痛むし辛かったんですけど、緊急事態宣言出ると映画館閉まっちゃうので、土曜日だったので帰りに映画見に行きました。「CURED」です。イギリスのゾンビ映画です。日曜日も消毒してもらうため病院に行ったので、非常に辛かったのですがしばらく映画を見る事が出来ないと思い、まさに死ぬ気で映画を見に行きました。オタクですから。見たのは「ゾンビ」です。馬鹿だと思います。

で、頭がパックリいってるので、マジでつらくて、ぼ〜っと映画を見ていました。どんくらい辛いかというと字幕読んでいるのに読めないくらい辛かったです。意味わかりせんか?そうですか。

「ゾンビ」見ながら思ったのは、トンカチでゾンビの頭をカチ割るシーンで、傷口がスパッと綺麗に割れているのを見て「そんな綺麗な傷口のワケがない。」と思いました。もっと破裂したような汚い傷口になります。そしてそういう傷口はくっつきにくいので治りにくいのです。ソースは私の頭です。

傷口がどんなになってるのかまるでわからなかったのですが、とにかく、24時間四六時中ズキズキと痛むので、なんか手当てをしてもらったんだな、って感じでした。寝ることもできないほど常に痛かったです。その状況で映画見に行こうと思えるって、マジおたくすげぇわ、と思いました。

月曜日に先生がスマホで傷口の写真を撮って見せてくれたのですが、真っ赤な三角形の傷口がパックリあいていたので、思わず「先生、これどうやって縫うんですか?」って聞いちゃいました。(後から考えると、きゃ〜怖い〜とかいう反応の方が女子っぽかったか、と思いましたが、私、変な映画を沢山みているのであの程度の写真ではビビれないんですよ。)「縫わないでこのまま肉が盛り上がるのをまちます。」という…「先生、ここ、髪の毛はどうなりますか?」もっと他に心配する事はないのか、というくだらない、しかし大事な事を確認する私。「毛根潰れてしまったので髪の毛ははえてきません。」えぇっ、それって、つまり、は…g…

傷心…

とにかく痛かったのですが、この頃から、なんか自分の身体が頑張っている感じの痛さになり、多分これはそのうち治るんじゃないか、と思いました。知らんけど。

先生に「なんか自分の身体が頑張っている感じの痛さになりました。」と言ったら、うけてました。

 

結局パックリいっちゃった次の日のみ年休で、あとは通院のための遅刻のみで乗り切りました。毎年年休大量に余らせているのでいくらでも休めたのですが、そうも言ってられない状況だったので。まぁ、痛みで集中出来ず、ぱあ助な仕事ぶりでしたが。

3月から在宅勤務だったので、緊急事態宣言の最中に家から会社のそばの病院に通院して家に帰って仕事する、という訳の分からん事をしていました。

傷口が後頭部なのでほとんど眠る事が出来ず、傷口も半年以上痛かったので、本当に辛かったです。1,2時間毎に起きるというのが半年くらい続きました。普通に眠る事が出来るようになったのは、9,10月ころからです。

眠れないと疲れがとれず、キツかったです。

あ〜辛かったわ〜〜 

 

で、4,5月の緊急事態宣言の最中に東京の総合病院に通院していて思ったのは、看護師さんや先生方がとてもポジティブに元気に頑張っていらしたこと。新型コロナの事がまだよくわからない中で、沢山の患者さんに接しながら、明るくポジティブに振る舞っていらっしゃる姿を見て、医療従事者ってすごいなーと思いました。

通院していたのが脳神経外科だったので、状況が理解できない方とかいらっしゃるんですけど(熱があるのに予約しているから来ちゃうおばあちゃんとか。)根気強く応対してらっしゃいました。

私は、100歳で大往生した祖母(火葬場の職員さんが、100歳でこんなにしっかりと骨が残っているなんてすごいですね、健康だったんですね、と言われるような病気知らずの人)に兄弟の中で体質が一番似ていると言われている母にそっくりと言われているものすごく健康な人間のため、病院とは全く関わりなく過ごしてきたので、病院ってどんな感じなのかよく知らなかったのですが、素晴らしいなと思いました。

とにかく、治ったかと思うと血を吹くを繰り返していたので、日曜日に救急で消毒してもらったりしていたのですが、ガラガラでそれほど待たずに処置をしてもらっていました。

先生によると、冬の日曜日の救急は例年はインフルエンザの患者さんが多い時には100人くらいいる、との事でしたので、かなり異常な状況だったのだと思います。

 

そんなこんなで、2020年は色々大変(ハゲて傷心)な1年でしたが、映画は232本見ることが出来ました。

在宅勤務だったので、会社帰りに映画館による事が出来なかったし、頭がパックリいっていたので、映画どこじゃなかったのですが、頑張りました。

ここ5年くらい少し映画を見過ぎでいたので、特にここ2年くらいは超見過ぎており、ずっとどうにかしたいと思っていたので、ちょうどいいくらいの鑑賞本数かな、と思います。

ベストは、「ある画家の数奇な運命」でした。

ニューシネマパラダイス」のような、普遍の愛が帰ってくるラストがとても良かった。ナチスが出てくるのですが贖罪とかではなく、悪い奴が栄えてもそれとは関係なく人生も愛も続いていくという、美しくも力強い物語でした。まさに映画、といった感じの物語でした。

 

あ、そうだ、ちなみにまだ、傷、痛いです。

はやく「うっ、古傷が」と言えるようになりたいです。

 

銭湯でみかんを食べる婆ぁ-2018ベスト、幸福城市

風俗街の端っこに、銭湯がある。

阪東橋の大通り沿いには、ソープが立ち並ぶ。薄暗い裏道も、風俗店がごちゃごちゃとしている。

その、細い路地沿いに、銭湯がある。

古い作りの銭湯だ。お湯も43度くらいで高めの設定だ。

水風呂がある。有難い、と思って入ると、べらぼうに冷たい。水道水をそのまんま注いでいるのだろうか。5秒と入っている事は出来ない。

シャワーは固定されていて、はずす事は出来ない。

銭湯で癒されたい女子は、まず、近寄りもしないだろう。そんな銭湯がある。

そもそも、いわゆる「女子」は、いない。

お客さんはよくておばちゃん、他は婆さんだ。

そして、多国籍だ。肌の色は黄色のグラデーション。

東南アジア系がこんな熱い湯につかる事ができるのか、と思ったが、彼女たちは体を洗うだけで、浴槽に入ることは、ほぼない。入っても、一瞬だ。

東アジア系は、熱い風呂につかる。

私は、更にだらだらと風呂につかる。

長風呂が大好きなのだ。

39度くらいのぬるいお湯に一時間くらいのんびりつかるのが一番好きなのだが、平熱が高いからか(37度近い。)熱い湯も耐える事が出来る。

熱い湯につかり、水を浴び、くつろいで、また湯につかり…と繰り返していた。

ふと気が付くと、韓国語で話しているおばちゃん達が、みかんを食べていた。

多分スタッフに見つかったら注意されるのだろうが、こんな小さな銭湯でみまわりなど、ない。野放しだ。いいな〜いいなぁ〜〜みかん食べたい〜

いちごもいいなぁ〜夏はスイカも〜などと妄想していたら、おばちゃん達は、さらにジップロックから、カットされた王林を取り出して、食べはじめた。

フリーダム〜

ここは日本か?細かい姑ルールにがんじがらめの、日本なのか?

ダメな人は、おそらく全く受け付けない環境だろう。だが、私は、妙にくつろいでしまう空間なのだ。

熱い湯につかりながら、いつかヨボヨボの婆さんになって一人銭湯に行き、誰とも話すこともなく一人みかんを食べたい、と思うほどには。

昭和のムード歌謡が流れる銭湯で、薄暗い路地の銭湯で、いつかを夢想するほどには。

 

去年は、なんか、私、369本も映画館で映画を観たみたいです。(他人事。)

お正月に数えていて、びっくりよ。暑いころは(私基準で)あまり観ていなかったのだけど、ゴールデンウィークまでと10月から12月がひどすぎた。

年間ベストは劇場公開作にしたいのだが、フィルメックスでみた「幸福城市」があまりにドストライクすぎたので、ポリシー曲げます。2018年の私のベスト映画は「幸福城市」です。

大体、2、3年に1本くらい、つまり千本くらい映画を観て1本あるかな〜くらいの確率で私的に完璧な映画があるのだが、そんな映画だった。

2056年の台北を舞台にして、主人公の壮年期、青年期、少年期を遡っていき、どの時代も、人生を変えるある一夜が描かれる。

ぽつりぽつりとあるネオンが人の息づかいを感じさせる、そんな寂れた裏町の物語だった。

私にはそれは、あの阪東橋の裏道の、てんてんと店の灯りがともっている、しんとした静かな通りを思いださせるものだった。

映画では非常に印象的に、昭和のムード歌謡的な曲が繰り返しかかっていた。そんなところも、また、よかった。

今年のフィルメックスは神がかっていて、素晴らしい作品ばかりだったが、一番好きなのは、全く幸せじゃない「幸福城市」。

劇場公開してくれないかな〜

黄金町の思い出ーオウム真理教とか、A2、ヤクザと憲法

もうかれこれ20年くらい前のお正月の事だ。
当時、私はタイ料理にはまっていた。(今でもタイ料理は大好きだが、当時はドハマりしていた。)その日は、若葉町の馴染みのタイ料理のレストランで、友達と待ち合わせをしていた。
黄金町からの通い慣れた道は、その日は全く人気がなかった。お正月休みの午前中にしても、変だった。
そして、さらに異様なのは、脇道全てにグレーの人員輸送車?が止まっているのだ。警官もいる。脇道毎にいる。頭上には複数のヘリコプターの音がする。
こりゃ、なんか事件でもあったのかな〜と思いながら、お店に向かった。既にお店にいた友達に「なんか外凄いんだけど、また発砲事件でもあったの?」(大通公園とか日の出町とか、横浜もあの界隈は色々物騒だったのですよ、昔は。)呑気にたずねると、「オウムの上祐さん、出所したでしょ。」「あー、横浜にいるんだよねー」「そう、すぐそこ。そこにいる。」「はぁ?」
そう、すぐそこに上祐さんがいたのだ。
私達のいたタイレストランから、ほんの数ブロック先のオウムの施設に、上祐さんはいたのだ。
一昨年だったか、森監督の「FAKE」公開時に特別上映された「A2」を見ながら、思い出していた。
「A2」では、田舎の教団施設から黄金町に移ってきた男性信者が森監督のインタビューに答えて、「性欲は押さえている。でも、こっちに来て、久しぶりにそういった夢を見た。」というような事を生真面目に答えていた。
そうだよね、あの頃のあの辺りは、立ちんぼとか沢山いたしね。ちょんのまで働いているタイの女の子達が「中国人、信じられない!ゴム無し1万円で商売してる!病気怖いし、1万円じゃ家族養えない!」とかレストランで愚痴言ってたりして、中国の価格破壊凄いな、とか思ったりしていた時代だ。
今では考えられないかもしれないが、あの頃の若葉町は、夜、女が一人で出歩けるような街ではなかった。だから、私達はいつも休日の午前中にタイ料理屋に通っていた。大岡川沿いなんて、昼間でもカタギの日本人女性には近付く事は出来なかった。だが、あの界隈の外国人はほぼノービザなので、彼らから進んで堅気の日本人と揉めるような事はしない。こちらが礼儀正しく大人しくしていれば、日本語が通じにくいタイレストランでも問題は無かった。
当時は、今のように誰もが携帯電話を持っているような時代ではなかった。だから公衆電話がそこかしこにあった。黄金町の駅前にある公衆電話は、ボックス一杯にテレクラのチラシが貼ってあり、恐ろしく臭かった。改札からすぐの裏道は真っ暗で、覗き見る事すらためらわれた。そんな街だった。
高校時代の友達は、高校卒業後に医療事務の資格を取って阪東橋のあたりの病院で働いていたのだが、「こんな汚い街大嫌い。」と常に言っていた。そして割合すぐに転職していった。確かに汚くていかがわしい街なのだが、私はこの世の周縁部にあるような、どこにも属することの出来ないこの街が、嫌いではなかった。
そんなこんなを、オウム事件の死刑囚の刑が執行されたというニュースを見て、思い出した。

「A2」で印象に残ったエピソードに、恐らく知的障害か精神障害があると思われる信者が出て来るシーンがある。精神的に不安定な彼らを、他の信者達が世話をしていた。物理的なだけではなく、精神的な居場所がそこにはあった。

他にも「ヤクザと憲法」という映画でも、何か障害を抱えている男性が、暴力団に住み込みで暮らしていた。セリフなどは忘れてしまったが、組長が「彼らを見捨てる事は出来ない」といった感じの事を言っていた(と思う。うろ覚え。)

宗教団体や暴力団は、そういった 行き場のない人達が行き着く先でもあったのだ。どちらも、そんな弱者を食い物にしている面もあるのだが、どこにも行き場のない人達の受け皿でもあった。(善し悪しは別として。)家族と折り合いが悪く、地域社会からも疎まれて、はみ出した人達が流れ着き、生きていく事が出来る場所だったのだ。

今では、どちらも規制されてしまい、あの人達はいったい何処へ行ってしまったのか。

 

オウム事件で13人もの死刑がほぼまとめて執行された事には、非常に強い衝撃を受けた。麻原元死刑囚とその他の弟子たちが、同時に刑が執行されたのは、全く理解出来ない。

私は、死刑制度は、廃止すべきではないと思っている。しかし、死刑は積極的に執行されるべきではない、と思っている。死刑執行には、慎重の上にも慎重を重ねなければならない。

私が死刑制度に期待しているのは、法抑止力である。実際に死刑が執行される事は望んでおらず、やむにやまれぬー例えば、麻原元死刑囚に刑が執行されたようなー時のみに執行されるべきであると思う。そして、死刑制度を廃止すべきではない、と思っているのは、今のこのご時世に死刑制度を廃止したら、死刑制度を復活させることは、おそらく不可能であると思われるからだ。
だが、現在のこの厳罰化の流れの中で、こんなにも軽々しく死刑が執行されるのを目の当たりにすると、その考えにゆらぎが出てくる。その他にも、状況証拠だけで死刑判決が下されたりする現状をみると、死刑制度に疑問を持つ。

 

今年は本当に色々な事が起こり過ぎて、なんだか思考をまとめている暇がない。

 

女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人の再犯について、未成年にも厳罰で対応すべきだった、という意見には、私は同意できない。あれは、厳罰化で解決できる事ではなかったと思う。

子供達がノリか格好つけか何かでやり過ぎてしまい、自分達で止める事が出来なかった時に求められるのは、常識ある大人の介入ではないか。確か、あの事件では、女の子は一ヵ月以上監禁されていたと思うが、その間に周囲の大人が適切に介入していれば、少なくとも最悪の事態だけは避ける事が出来たかもしれない。最悪の事態が起きてしまった後に厳罰で対処しても、被害者そして加害者の人生も、破壊されてしまったものは元には戻らない。

 

ネットにまつわる事件についても、我々は今後は適度に介入する必要があるのではなのではないか。規制するのではなく、やり過ぎない様なルールというか規律というか、そういったものを作ることが出来ないものか。それはやってはいけないよ、そうしないとお巡りさんに逮捕されちゃうよ、という感じで。

例えば、煽り行為について、事情聴取ではなく殺人教唆や幇助などで告発するなど。強制的にネット弁慶をやめていただく。そうすることにより、ネット弁慶をご卒業したくない人達にプレッシャーを与えていくことで、ネットから飛び出してしまう、自らネット弁慶をご卒業される人達を出さないようにする。ネット弁慶規制法、いや、規制は反対なのだが、どうにかして秩序を作ることは出来ないものか。無理かな〜。頭のいい人達でなんか考えてくれないかな〜(人任せ〜)

うぇ〜〜いーカメラを止めるなとかファミリーウォーズとか、日本人の若手映画監督の作品、そして入江悠礼讃

なんだか「カメラを止めるな」が、物凄く盛り上がっているようですね。

暑くなってからコンディションが良くなくて、映画を見るペースが落ちていた。特にコンテンツ系の映画は全く見る気がしなかったので、すかしたミニシアター系のさらにすかしたアート系(お恥ずかしい事に一番好きな分野。幻想的な作品が大好き。)を中心に見ていた。ハリウッド映画の、大きい音や過剰な音楽と演出が、全く受け付けなかった。(でもMIPは死ぬ気で見てきた。あれは見逃せない。面白かった。トム・クルーズ最高)

この夏見た映画で一番素晴らしかったのは、遠藤麻衣子の「TECHNOLOGY」。この作品は本当に良かった。まるであの世とこの世がつながるような感覚の作品で、涙が止まらなかった。私は美しい花の物語だと思ったのだが、解説を読んだら、かぐや姫だった。(…「かぐや姫の物語」見たいなぁ。ジブリで一番好きなのはナウシカかぐや姫なんだよな。)遠藤麻衣子監督は、今後チェックしなくちゃならん。アテネフランセとか写美辺りでやってくれそう。

さて、カメ止めです。なんか凄い盛り上がっているけど、よっぴーはほめてるし、監督の父上のFacebookに引いてしまい、完全に見る気を無くしていた。そんな時になんかゲスい盗作話が聞こえてきたので、これは見に行かねば!やはり映画オタクとして流行りものは押さえねば!!と、あわてて見てきた。シネコンではなく、寂れた雰囲気の中で見たかったので、相鉄ムービルにした。(30年以上前からある老舗映画館。横浜駅唯一の映画館で一応109系列でありながら、いつでも会員は1,100円、つまり、いつ行ってもガラガラに空いている。女子トイレなんて、個室20個くらいあるのに、洋式1個よ。あとは全部和式。スクリーンも席数が多くて、客席が段差になってない。昔風の作りの映画館。壊すのにお金がかかるから、設備投資せずにとりあえず営業しているような感じ。)さすがに満席にはなってなかったけど、子供の頃以来見たことないほどの客の入り。いい雰囲気だ。

映画は、面白かった。最後まで見落としがあってはならない!と思わせる展開、そして飽きさせないように細部にまで手を抜かず作られていて、楽しめた。そういうところはプロの仕事なんだけど、低予算映画だからチープな感じがあって、それがまたいい味わいだった。『会いに行けるアイドル』的な映画だったと思う。若い子にはこういう感じが受けるんだなぁ、と思った。

今年は「枝葉のこと」とか「大和(カリフォルニア)」とか、若手監督が作った神奈川県央ローカルの良質な映画が公開されているのだが、どちらも路地裏の物語で孤独や傷に向き合うタイプの作品だった。その閉塞感は、空族のロードサイドの物語にも通じる、渇いた空気だった。(地方の人には神奈川は東京のオマケ的に言われるが、神奈川県って東京とは違うのよ。東京郊外の、一地方都市なのよ。)そういう自己に向き合ったドライで真摯な映画より、ウェットでちょっとええ話の方がうけるんだなぁ。うーむ。

さて、カメ止めと似たような、コンテンツ映画的に作られながら、全くうけるとは思えないのが「ファミリー☆ウォーズ」。感想は、また、馬鹿な映画作りやがって…といった感じ。ものすごいパワーで、呆れるほど馬鹿で、面白かった。

とにかく思い付く限りのアホなネタを、より露悪的に仕上げて、これでもかとぶち込むという…馬鹿じゃない?以外に言う事はないスタイルの映画。ただ、阪元監督の凄いところは、私が今まで見た6本の映画の中で、こんだけアホなネタをこんだけぶち込んできやがりながら、同じ事を繰り返している、という印象は受けないところだ。これ結構凄いと思う。

映画は、若さ故か、少し軽い。人と違う事をしよう、面白いものを作ろう、というあふれるガッツを感じるが、まだネタとして消化しているだけの、コンテンツ映画としての印象が強い。これは役者陣にも言える事だが、アイデアを出して色々試している段階のようだ。欲望でも焦燥でもなんでもいいが、自分の内側から湧き出てくるものではない、頭で考えて作っている印象がある。今、この手の映画を見るコンディションじゃないから、なんか、嫌な映画オタクの感想になっちゃうな〜。

映画オタクとしては、10年、20年スパンで生ぬるく見守りつつ今後に期待、といった感じ。

例えば、入江悠監督は、サイタマノラッパーからチェックしていて、もとから大好きだったけど、「太陽」そして「ビジランテ」で、さらに好きになった。あの2作で化けたなぁ〜と本当に嬉しかった。(ちなみに、ジョーカーゲームは見ていません。)はてなブログで例えると、モビルスーツのぶちょーがJD語りをやめていきなり武闘派に転向したかのような衝撃。よくわからない例えだと思うかもしれないが、それくらいの衝撃。(入江ぶちょーと呼びたいくらい芸風が似ていると思っているのは、私だけか?)確かに、SRにも鬱屈とした暴力性があったが、こんな風に化けるとは思わなかった。今一番期待している、メジャーもいける日本の若手映画監督。(ちなみに、ジョーカーゲームは見ていません。)

阪元監督は、入江監督のような屈折はあまり感じず、非常に素直な印象がある。のびのびと馬鹿な事をしているな〜馬鹿だな〜ホントに馬鹿だな〜いやここまで馬鹿だと逆にすごいな〜、とほのぼのとした気持ちで見守っている。まだ、その暴力性を語るほどではなく、出し切っていない。今しか出来ない事をやり尽くし、その後に何を出してくるのか、それを楽しみにしたい。10年後でも20年後でもいいが、ま、出来たら早目に頼んます。

 

今年のホラー秘宝は、これまでと色々と違うものだった。毎年初日の最終上映回はリバイバル上映で、高橋ヨシキさんと寺沢ホークさんのゆるいトーク付きだったのだが、今年は阪元劇場だった。毎年千葉監督の新作が上映されていたのだが、今年はなかった。そして、毎年千葉監督と平山先生のトークは、映画の話を全くしない平山先生相手に敬語で応対しつつも苛立つ千葉監督を、10数人のおっさんとおばちゃんが生温かく半笑いで見ていたのだが、それも今年はなかった。去年いた人、今年の新しい人。色々なものが、様々に変化していく。生きているってこんな感じなんだな、と思った。夏の終わりはしみじみと、おセンチになってしまうね。

ぎりぎりを攻めるーV.I.Pそれから新しき世界に悪女、そして人魚伝説

先週の20日水曜日に、時間の都合が良かったので適当に「V.I.Pー修羅の獣たち」を見に行ったのだが、凄かった。。色々展開に甘いところもあるのだが、あまりにもパワフル過ぎて、ちょっとした粗など気にならない映画だった。

 

韓国のかなりハードな映画。

北朝鮮の要人の息子である殺人鬼、脱北した彼から情報を得るため犯罪を隠蔽しようとするCIAとCIAに協力する国情院、殺人鬼を追う韓国の警察と脱北してまで殺人鬼を追う元工作員、それぞれの攻防戦を、激しいアクションと容赦ない残虐な描写で描く、クライムアクション。

 

とにかく、すごい残忍で陰惨なシーンがこれでもかと続くので、全く人にすすめる事など出来ないタイプの映画だった。

孤狼の血」も日本映画としてはかなり頑張っていたけど、「V.I.P」に比べると大人しくて、小綺麗な映画に思える。それくらい、振り切っていた。

ただ、あまりの残酷な描写が韓国では非難され、興行的にはイマイチだったらしい。

特に、映画の中で女性の被害者がかなり悲惨な目にあう為、女性をポルノとして消費しているとか、女性蔑視と叩かれたらしい。

(検索して表示された、多分韓流ドラマ系の記事2,3本しかみてないけど。あと、監督のインタビューでも、女性蔑視で叩かれたという話しがあった。)

確かに、被害者は酷たらしい目にあうのだが、私は凄惨な表現というより非常に計算され尽くしたカットに圧倒された。劇場公開の映画でここまでやるか、劇場公開できるのか、というギリギリのところを攻めていた、と思う。人間の残酷さを、映像化し得る限界まで表現していた。

確かに悪趣味だし、やり過ぎと批判されるのもわかる。でも、監督もそんな事は百も承知で、挑戦したのだと思う。

 

この「V.I.P」は「新しき世界」のパク・フンジョン監督の最新作。

ストーリーは圧倒的に「新しき世界」の方が面白かった。犯人の殺人鬼とかちょっとステレオタイプだったし、構成も私の好みを言えばプロローグとエピローグはいらなかったと思う。せっかくあそこまで残酷さの表現にこだわったのだから、映像だけでなく物語もドライにきめた方がよかった。「新しき世界」は少しバタ臭い感じがあって、それがまた良かったんだけど、「V.I.P」にはバタ臭い演出はいらなかった。

 

「新しき世界」は劇場公開時は見逃してしまったのだが、hagexさんがブログで絶賛していたので、ずっと見てみたいなぁ〜と思ってチェックしていた。去年、彩プロの企画で平日昼間に新宿で上映があったので、有り余っている年休取って見に行って来た。すごい面白かった。

 

先日の事件は非常にショックだった。その後の記事やコメントにも酷いものがありショックだった。

hagexさんはたまに映画の記事も書いていて、「人魚伝説」とかを押していた事もあった。「人魚伝説」は「アワビ漁で暮らす新婚夫婦が原発に関わる陰謀に巻き込まれ、夫が殺され、その罪を着せられた妻が復讐する」物語。妻がモリを武器として関係者を襲撃するクライマックスの血の池地獄は、素晴らしい。主演の白都真理の体を張った熱演も素晴らしく、襲われるシーンなんて、ただ白都真理の美しくもセクシーな身体を血まみれにしたいだけなんじゃないのか…というくらい、血まみれの映画。

なんだけど、非常にロマンチックな映画でもあると思う。

年初に公開された韓国映画の「悪女」は、アクションが凄い、という前評判だったので非常に楽しみにしていたのだが、確かにアクションと映像は凄かったのだが、ストーリーが…別にストーリーが破綻しているとかではなく、ただのメロドラマで残念、といった感じだった。

私の中でダメな韓国映画の代表がある。それは「情緒に流された泣き映画」と名付けているのだが、とにかく泣かせようと感情的に訴えかけようとする、安いメロドラマのような映画だ。

「悪女」は、残念ながらそれだった。期待していただけに、非常にガッカリした。

「人魚伝説」は情緒に流されすぎない、叙情的な映画だった。ドライに物語を描きながら、どこか物哀しさがある映画で、私も好きな映画だ。

少しおちゃらけて「人魚伝説」をおしているhagexさんをみて、この人は結構ロマンチストなのかな、と勝手に思っていた。まぁ、映画好きなんて、大体ロマンチストだけどね。

 

もうブログが更新される事はないとわかっているのに、それでもこの一週間ブログをチェックして、その度に現実を突きつけられて、どきりとしている。彼のいない世界を生きているのだ、と酷く動揺する。

私は、ずっと素人の駄文など読む価値なし、と思っていて、ブログなんて興味無かったのだが、BLOGOSの山本一郎さんの記事からHagex-day infoに飛ばされ、素人の駄文の面白さに目覚め、読み漁るようになった。そして、素人の駄文を公開するようになった。とても楽しかった。

hagexさんに感謝を、そしてご冥福をお祈りいたします。