いきおくれ女子いろいろウォッチ

映画の備忘録として

カナザワ映画祭に行ってきた。

カナザワ映画祭 世界UMA怪談大会。GW後半のお楽しみ。

ラインナップ見た瞬間にチケット全部買いを決めていたのだが、実際に大人買いをしてしまった。

だって、私の小学生のころの愛読雑誌はムーと詩とメルヘンだったんだよ〜〜詩とメルヘンは、学級文庫においたり、友達と絵を模写したり、先生に貸してあげたりしてた。でも、ムー友達は一人だけ。たった一人だけ。毎号楽しみで楽しみで、ワクワクしながらコッソリ二人で回し読みをしたよ。私は特に読者の本当にあった怖い話系が大好きで、いつかこんな怖い目にあいたい〜と、ずっと願い続けていたけど、ダメだった。金縛りすらない、霊感0人間。

映画祭は、脳みそから変な汁が噴き出すほど楽しかったのだが、本当に疲れた。その割に、脳みそは興奮状態なので、火曜日になってもなんか寝付けない。

それにしても、GWを半分潰してまで鑑賞する価値があるとは、とてもではないが思えない、あのクソラインナップ。でも、楽しい。悔しい…この苛立ちを、一体どこへぶつければいいのか…

 

一日目は、モンスター×爆発とか、モンスター×放射能とか、なんかそんな感じのばっかり見ていた。なんか理由つけようとすると、すぐ放射能、どうにか事態を収拾しようとすると、すぐ燃やして大爆発。そんなんばっかり。本当にそんな映画ばっかり、一日中ずーっと見ていた。しかもインターバル15分くらいで。

二日目は、恐竜、怪人、魚人、野人が暴れまくってた。恐竜を追っかけたり、追っかけられたり、変身したり、殺したり、殺されたり、ロンリーだったり、めっちゃくちゃ。そんな映画ばっかり、一日中ずーっと見ていた。しかもインターバル15分くらいで。

三日目は、魔物でまた放射能…と思わせといて、今回唯一のいかれているけど普通の映画(?)がありつつ、野人祭。そんな感じの映画をインターバル15分くらいで、一日中ずーっと見ていた。

四日目は、野人とゴリラがなんかしてんのずーっと見てた。(雑)

 

ちなみに、四日間の共通点は、UMAではない。共通点は「女がウザイ」。今回のカナザワ映画祭の裏テーマは、実は「女がウザイ」じゃないかという疑惑がわき起こるほど、ウザイ。あのウザさ、話が通じない恐ろしさは、UMA以上。クソ映画って、本当に女性の扱い、やる事、やられる事が、酷い。

テキサス チェーンソーとかは、女がウザくない。何故なら、悲鳴が素晴らしいから。訳のわかんないウザイ理屈を言ったり、駄々こねてるヒマがあったら、悲鳴をあげて逃げ惑え、と思う。

そういえば、去年の年末頃に見た爆音のテキサス チェーンソーは本当に素晴らしかった。素晴らしい悲鳴だった。

 

なお、今回のカナザワで私が一番気に入ったのは、「ネアンデルタールマン」。とにかく酷いクオリティなんだけど、ブサ可愛いいところにほっこりした。あれ、ずるいよ。

漂う哀愁、滲み出る情念が強い作品ほど、味わい深い。イーガーやワニ人間、ポゼッションは、その点で素晴らしかったと思う。

でも、ネアンデルタールマンのブサ可愛いさの前では、無力。あの、つぶらな愛くるしい目の前では、全く無力。

可愛い、マジ最強ですわ。

 

イタリア映画祭に行ってきた。

GW恒例のイタリア映画祭。

いつもは、まったりとGWの間にイタリア映画祭に通いつつ、お買い物したりしつつ、美術館に行ったりしつつ…なのだが、今年は後半に「あれ」がある為、前半に集中して通う。(あのラインナップ…チケット大人買いしちまったよ。いまいましい。)

今年のお買い物の成果は、交通会館のマルシェのこごみとタラの芽くらいだよ。きぃ〜〜ぃ。

私はお料理が下手くそなので、タケノコとかワラビの灰汁抜きなんて出来ないので、アクの少ない山菜を、煮びたしにしたりポン酢あえにするくらいがせいぜい。こごみとタラの芽は、私でも扱える山菜なのだ。そんで、それをつまみにして、お酒を飲むのです。極楽〜〜

交通会館は、アンテナショップが色々あるので、他にもふき味噌だの、海苔の佃煮だの、ままかりの酢漬けだの、なんていうか、茶色い侘しいお買い物を楽しみました。そんで日本酒を飲んでました。極楽〜〜

この季節は新酒が色々あって、本当に楽しい。お酒を飲み過ぎてしまう人には、美味しいお酒にはまる事をオススメしたい。美味しいお酒は高いから、あまり沢山飲めないし、酔っ払うと、それまで美味しかったお酒の味がわからなくなるから、そこで終了する事が出来る。

まぁ、味なんか関係なく、焼酎を浴びるほど飲んで酔っ払うっちゅうのも楽しいけどね。

 

さて、イタリア映画祭。

この映画祭の観客は、他の映画祭と違って、映画が好きという人よりもイタリアが好きという人が多いと思う。

2,3年前かな?ジャンフランコ・ロージ監督と想田監督のトークがあったのだが、その時アンケート的に挙手を求められた。これから日本で劇場公開されるロージ監督の作品と、想田監督の作品を見たことある人。結果は、前者を見た事がある人の方が多かった。どちらもドキュメンタリー映画の監督なのに、まだ日本で劇場公開されていない作品を見ている人の方が多かった。映画好き、ドキュメンタリー映画好きよりも、イタリア好きの人が多いんだなぁ、と思った。

あと、イタリア映画祭のカタログは、非常に写真が多い。キャストが非常に細かく書いてある。巻末には、特に人気のある俳優達のキャリアやフィルモグラフィーまでついてくる。さらに、そこには、交際中だの破局しただの、週刊誌みたいな情報がのっている。そんな映画祭はイタリア映画祭だけ!

今年の1番のなんじゃこりゃな情報は、ヴァレリア ゴリーノのページ。「スカマルチョ(ジョン・ウィック2のマフィア)と結婚秒読みと言われていたが2016年破局」…必要か?この情報。でも、イタリア映画祭は、スターのファンとかが多いから、きっと必要なのでしょう。毎年楽しくゲスゲスしく拝見しております。

 

今年は、19本(内新作14本)中、9本鑑賞。

基本的に私は、劇場公開が決定している作品は、映画祭では見ない。(なお、劇場公開されやすいのは、ヒューマンドラマとコメディー。)

映画祭では、劇場公開しなさそうな作品で好み(と思われる)作品を中心に攻める事にしている。スター俳優の出ない地味な人情物は、劇場公開されないけど、あまり見ない。

今年は、「フォルトゥナータ」は底辺女性が奮闘する良質なヒューマンドラマ、「環状線の猫のように」はいい感じのイタリアンコメディーだったので、もしかしたら劇場公開か特集上映とかされるかもしれないので、見なくても良かったかも。

シチリアン ゴースト ストーリー」「チャンブラにて」「侵入する女」は、地味なマフィア映画。恐らく劇場公開はムリ。三作とも非常に良い作品だったので、これは見てよかった。「チャンブラにて」は他の二本ほどアート寄り(シチリアン〜)でもなく、ドキュメンタリー寄り(侵入する女)でもなく、物語も他の二本よりは分かりやすいけど、それでも劇場公開はムリだろう。見といて良かった。

以上、雑な感想。詳しい感想は、また書くかも。

お酒と映画

旅行中に気が付いた「お酒映画ベスト10」

どっちも大好き、両方合わせて諭吉を何枚つぎ込んだかわからないくらい好き。

と、とりあえず、参加だけでもしたい、と思って、帰りの新幹線で殴り書きする。

お酒と映画は切っても切れない関係にあるので、キリがない。そこで「最近の映画で、お酒が意味を持っている映画」という私ルールを作った。あと、お酒がらみの好きなシーンがある映画と、お酒が効果的に使われている映画でわけてみた。

パッと思いついた10本は以下。ちゃんと考えたら、10本に絞り切れないよ…

 

1.ル・アーヴルの靴みがき (2011年、フィンランドアキ・カウリスマキ監督)白ワイン
2.インビテーション(2015年、アメリカ、カリン・クサマ監督)ワイン
3.ブルージャスミン(2013年、アメリカ、ウディ・アレン監督)シャンパーニュ、ウィスキー
4.アデル ブルーは熱い色(2013年、フランス、アブデラティフ・ケシシュ監督)ワイン
5.ゼロ グラビティ(2013年、アメリカ、アルフォンソ・キュアロン監督)蒸留酒
6.キャロル(2015年、アメリカ、トッド・ヘインズ監督)マティーニ
7.ソニはご機嫌ななめ(2013年、韓国、ホン・サンス監督)焼酎
8.汽車はふたたび故郷へ(2010年、グルジアオタール・イオセリアーニ監督)ワイン
9.イタリアは呼んでいる(2014年、イギリス、マイケル・ウィンターボトム監督)ワイン
10.ジャッキー・コーガン(2012年、アメリカ、アンドリュー・ドミニク監督)ビール

 

(表記が、やってはいけないことリストに上がっている事を全部やっているようなヒドイ有様だった。遅ればせながら、訂正した。本当にすみません。時間切れで、集計から弾かれている事を願う。)

 

そして、パッと思いついたものなので、お酒に非常に偏りがあり、ワインばっかりになってしまった。カクテルなんて、マティーニを無理やり突っ込んだ一本のみ。愛する日本酒は、どうしてもドキュメンタリーしか思いつかなくてゼロ。日本酒を印象的に飲んでいる最近の日本映画って、どうしても思いつかない。

うー、悔しい、なんか思いついたら、番外編を書こう。

 

1.ル・アーヴルの靴みがき (2011年 フィンランド 監督アキ・カウリスマキ お酒白ワイン)お酒がらみの好きなシーンがある映画。
主人公のマルセルがレストランで一人で食事をするシーンがある。そこでいつも通りグラス一杯の白ワインとオムレツを注文しようとしたが、値上がりしたらしく手持ちのお金では足らない。(マルセルは靴みがきで生計をたてていて、低所得層に属する。)そこで「卵一個のオムレツとグラス一杯の白ワイン」とオーダーする。(本当は、オムレツは卵2個)
こう書くと、「アル中!」と怒る人がいるかもしれないけど、違うのだ。これは、ただの格好つけ。ポリシーというか、スタイルというか。
マルセルは頑固ジジイなのだが、なんか、このシーンが非常に良かった。好きなシーン。
映画も、とてもいい作品だった。


2.インビテーション(2015年 アメリカ 監督カリン・クサマ お酒ワイン)お酒が効果的に使われている映画。
2017年の未体験ゾーンで鑑賞。シッチェスで受賞しているサスペンス、スリラー、ホラーと言ってもいいかもしれない作品。
元妻のパーティに、現在のパートナーと招待されたウィル。元妻は資産家で、ウィルもかつては住んでいた高級住宅街の豪邸に招待される。ウィルと元妻の間には一人息子がいたが、その一人息子が事故死した後、元妻は精神を病み、新興宗教にはまってしまった。そこで現旦那と出会った事が原因で、ウィルと元妻は離婚する。
で、そのパーティには、元妻が新興宗教にはまったころから疎遠になっていた友人達が招かれている。久しぶり〜〜と再会を喜びつつも、なんか不穏な雰囲気があり、みんな微妙な顔。
パーティなので乾杯をするのだが、それが、ボルドー五大シャトーの古いビンテージ。(詳しい事は忘れた。ええええぇ〜〜ってなったのだけは覚えている。)招待客もマジで?って感じで顔を見合わせてる。
で、その後色々な事があり、最後のシェリー(これもすごいのだった。けど、忘れた。)で大事件、そして怒涛のクライマックス、という映画だった。
とにかく、スゴイお酒が出て、ええっ、てなる。ホームパーティのレベルじゃない。このパーティはただのパーティではない、という事がお酒からありありと伝わってくる。そして、勿論ただのパーティではなかった。
この作品はすごい面白かった。劇場公開されなかったのが残念。まぁ、スター俳優が出てないから、しょうがないか。


3.ブルージャスミン(2013年 アメリカ 監督ウディ・アレン お酒シャンパーニュ、ウィスキー)お酒が効果的に使われている映画
映画が始まったばかりの時は、破産してお金がないにも関わらず、シャンパーニュが飲みたいとか言って、安いお酒を飲んでいる妹やその彼氏達を小馬鹿にしているジャスミンが、最後にはその、安いウィスキーを飲んで酔っ払っている姿が、怖かった。
落ちぶれ具合を身だしなみやお酒で表現していて、それをあの完璧な美貌のケイト ブランシェットが圧巻の演技で演じていた。そりゃあ、主演女優賞を受賞するでしょうよ。

 

4.アデル ブルーは熱い色(2013年 フランス 監督アブデラティフ・ケシシュ お酒ワイン)お酒が効果的に使われている映画
この映画では、階層を表現するのにワインが非常に効果的に使われていた。
エマの家では、カキにあわせて白ワイン(おそらく、ロワールではなくシャブリ。)が出される。ワインに合わせて、グラスも出して、セッティングをしていた。エマの両親は、芸術や娘の性的嗜好に理解を示していた。
アデルの家では、パスタがガツンと出されて、みんなでそれを取り分けて食べる。赤ワインは、普通のグラスでがぶ飲み。(こっちのパスタの方が美味しそう…)両親は公務員押しで、アデルを理解しようという雰囲気はない。
アッパーとミドルのクラス感が非常によく表現されていた。


5.ゼロ グラビティ(2013年 アメリカ 監督アルフォンソ・キュアロン お酒蒸留酒?)お酒がらみの好きなシーンがある映画
ジョージ クルーニーが帰ってくるシーンで、ここに酒を隠していたのさ、というシーン。(いや、他にもアドバイスとかしますけどね。お酒はメインの用事ではないですけどね。)あのシーンが、本当に好き。映画自体は、別に、普通に好き程度なんだけど。
あのシーンは夢か現かよくわからない感じになっているが、どっちにしても「ああ、この人は死んでしまったのだ。」という事が伝わってくるシーンだった。
それまではサンドラ ブロックも、宇宙の深淵に消えていったジョージ クルーニーを、もしかしたら助ける事が出来たかも、などという後悔とか、もしかしたらまだ生きているかもしれない、という思いがあったかもしれない。しかし、あのシーンで、ああ、この人は死んでしまったのだ、ということが腑に落ちたのではないだろうか。私は、そんなシーンだったと思った。

そして、死に囚われたサンドラ ブロックを、解放し救ったように思った。

非常にいいシーンだった。


6.キャロル(2015年 アメリカ 監督トッド・ヘインズ お酒 マティーニ)お酒が効果的に使われている映画
キャロルがマティーニを飲むシーンが、非常に格好よくて、テレーズが憧れるのも納得してしまうシーンだった。デパートのシーンだけだと、ただの一目惚れで、ちょっとストーリー的に甘くて弱いんだけど、惹かれていく過程が格好良く演出されていた。


7.ソニはご機嫌ななめ(2013年 韓国 監督ホン・サンス お酒 焼酎)
ホン サンス=お酒というくらい、よくお酒を飲んでいる。あの、ダラダラお酒飲んでいるところが、ホン サンスの描くダラダラした男女にも通じる。

7位ホン サンス作品全部としたいくらいだが、とりあえず「ソニはご機嫌ななめ」にしてみた。この映画は特に、韓国人お酒強いなぁ〜〜としみじみ思う映画だった。自分のか弱い肝臓と比べると、本当にあの人達すごいよ。昼から焼酎ストレートでガンガン飲んでいるんですよ、あの人達。凄い。羨ましい。私にその肝臓を下さい。


8.汽車はふたたび故郷へ(2010年 グルジア 監督オタール・イオセリアーニ お酒 蒸留酒、ワイン)お酒が効果的に使われている映画

主人公が、フランスへ亡命する前に政府高官にワイロでワインを持っていくシーンがある。ラベルとかなんにも貼っていない古ぼけたボトルを差し出して〇〇ですよ、っていうと、おおって喜んで受け取っていた。

さすが、黒海沿岸ワイン発祥の地、と思った。

あと、映画の冒頭でなんか蒸留酒ウォッカ的な何か?)を作っているのだが、雰囲気からいって密造酒?かしら?って感じだった。「子供は飲んじゃダメ」とか言われていたが、確か盗み飲みしてなかったっけ?まぁ、ダメと言われたら、イタズラしちゃうよね。


9.イタリアは呼んでいる(2014年 イギリス 監督マイケル・ウィンターボトム お酒 ワイン)

イギリスのオッサン二人がイタリアで食レポする映画(雑すぎる…)。素敵なホテルやレストランで素晴らしいお料理そしてワイン。素晴らしかった。

ただ、私がこの映画で一番好きなシーンは、実は全くお酒に関係なし。

あるホテルで一つの椅子を発見して、オッサン達はJKのようにきゃあきゃあと大はしゃぎ。「あれやろうぜ〜〜」って言ってやり始めるのが、ゴッドファーザー2のワンシーン。若きドン コルレオーネが父の仇をとるシーン。

ロバート デ ニーロがマーロン ブランドの若かりし頃を、あのフガフガした喋り方を真似して演じるのだが、その真似の真似をオッサン達が大喜びしてやっているシーンが、一番好き。

そのシーンまでも、ず〜っとフガフガした喋り方の色々な役者や役のモノマネしていたのだが、お前らこの「真似の真似」がやりたかっただけなのかよ、今までのモノマネは全部コレのための前振りだったのかよ、と思った。


10.ジャッキー・コーガン(2012年 アメリカ 監督アンドリュー・ドミニク お酒 ビール)お酒が効果的に使われている映画

この映画は、サブプライムローンをギャングの賭場荒らしに置き換えたアメリカ経済の映画、らしい。

途中のレストランのシーンで、小道具の確かビールが、カットによって増えたり減ったりする。同じシーンなのに、さっきのシーンと数が違う、あれれ⁇となる。サブプライムの詐欺みたいな話を上手く、地味に表現していた。

映画の評判はイマイチだったようだが、細かいところまで作りこまれた作品だった。

 

うわぁぁ、締め切り時間に間に合わない。

理由については、追記するかも。とりあえずアップする。

いいエイズとわるいエイズー「BPM」とはあちゅうさん

ちょっとだけ。

BPM」はカンヌでグランプリをとった映画。

 

90年代始めのパリで活動するACTUPというHIV/エイズへの偏見や差別に抗議するグループの活動と人間関係を描く。

 

ほんの一瞬だけど、ゲイの患者と血友病の患者が意見が食い違うシーンがある。その時に、血友病患者の方がマスコミ受けがよくって、政治的にも見映えがいい、といった感じの発言がある。

(追記。映画では血友病エイズ患者の母親が、ACTUPから役人に死刑を求める声明を出そうと提案した事について、ゲイのエイズ患者がそれはACTUPが求める要求とは違う、と主張するシーンがあった。そのシーンでの発言。)

1990年代に日本で語られたのも、血友病患者のHIV/エイズ感染について、いわゆる薬害エイズのみだった。その他のゲイや麻薬使用者やセックスワーカーの感染については、ほとんどテレビなどでは報道されていないと思う。

確かに薬害エイズは酷い話であったし、患者は完全なる被害者だった。しかし、その他の原因で感染した人達も、同じ病気に感染した被害者だ。

それなのに、感染経路によって、いいエイズと悪いエイズに分けられていた。

同じ病気に苦しむ患者なのに、同じ病気の被害者なのに、完全なる被害者と、知識不足やちょっとした不注意での感染による被害者ーその多数を占めるのが、社会的に差別されているマイノリティーだった。ーを分けるのはおかしくはないか?

今風に言うと、「自己責任」という事になるのだろうか。

 

映画が終わってから、つらつら思ったのが、はぁちゅうの、新潟県知事の件についての発言。

あれも、いいセクハラと悪いセクハラー許されるセクハラと許されないセクハラって感じで、いやな感じだった。

(追記。どちらも性的搾取の被害者の告発という点では、同じではないだろうか。)

被害者の属性や行為から、いい・悪いを判断するのはあまりいい事ではないのではないだろうか。

はぁちゅうは、林真理子の発言を支持していたのだが、この二人は「脳みそが女で目線が男」だと思う。

考え方や行動や価値観は女性的だが、男社会の荒波にもまれているからか基準が男性的。社会的に成功している女性はこのタイプが多いかな。

はぁちゅうは自身のmetooで、上司のセクハラに耐えたのは、見返りを期待した部分もあった、浅はかだった、といった感じの事を言っていたと思うけど、それがOKならこれもOKでしょう?

 

世界報道写真展では、毎年HIV/エイズ患者の写真が展示される。それは患者が、ゲイなど社会的弱者であったり、セックスワーカーなど貧困層であったり、社会問題として考えなければならない事だからだ。

ほとんどの写真が悲惨なものであり、それを自己責任で片付けるのは、傲慢であると思う。

 

どのような問題でも、同じ被害者を、いい・わるい、で分けるのはあまりよろしくないのではないだろうか。

我々は、社会の問題として、一緒に考えなくてはならないのではないだろうか。

 

追記した。

昨夜は、今一番お気に入りの蔵である梅乃宿の季節限定生酒飲みながら書いてたら、なんか抜けてしまった。

一度公開したものは、基本的に訂正しない、と決めていたけど、これはちょっとだけ、追記。

アニキィィ、どうしてアップライジング撮ってくれなかったんっすかっっっーシェイプ オブ ウォーター、それから、パシフィックリム アップライジング

映画を見る前からブログのタイトル決めて、グチを書く気満々で見に行った。しかし、アップライジング、結構ナカナカ面白かった。私的には満足。

パシフィックリムの続編としてではなく、全く関係ない別物として楽しんだ。

こんなにお金かけてこのクオリティ!素晴らしい!ハラショ〜〜‼︎という感じだった。

 

当初の予定では、嫌味ったらしく、皮肉を言いながら書きはじめる予定だった。こんな感じ↓

 

シェイプ オブ ウォーターがアカデミー賞作品賞取ったそうですね。おめでとうございます。

なんか、色々と意味が込められた、今を生きる私達にピッタリの映画だそうですね。

こういった、いわゆるB級映画がアカデミー賞を取るとは、いやはや、いい時代になったものですね。

(ここまで全て棒読みで。)

 

だけどさぁ〜、アップライジングがやってくれたわけですよ。笑わせてくれた訳ですよ。なんか、色々どうでもよくなってしまった。

「Mt.Fuji」をぶっ込まれたら、もう本当に、全てがどうでもよくなりますよ。まうんと ふじに、れああーすってマジっすか⁇そんで、それ目指してKAIJUが集まってくるって、どういう事っすか⁇

富士山が活火山になってる…とか、どうでもいい事(え?)に引っかかっているシロウトは、とっとと帰れ‼︎あれは「Mt.Fuji」だからな‼︎‼︎

 

ざっくりとあらすじを書いてみると、こんな感じ?

パシフィックリムから10年後、新たに開発された無人イェガーが世界中に配備される事になったのだが、その無人イェガーには、異世界人プリカーサーに乗っ取られたニュートによってKAIJUの脳が埋め込まれていた。次々にKAIJUに乗っ取られていく無人イェガーが、裂け目を開き、KAIJUを召喚する。今、新たな戦いが始まる。

って感じの物語だったかな?確かこんな感じだったかな?まぁ、そんなもん、どうでもいい訳です。前作以上にどーでもいい事になってます。

なので、後半は本当にやりたい放題、無茶苦茶な事になってます。

なんか、シラスウナギみたいなのがワラワラワラワラ〜〜っと出てきて、それがワラワラワラワラ〜〜とKAIJUにたかると、なんかわかんないけど、3体のKAIJUが合体して巨大KAIJUに!なるんですよ‼︎よくわかんないんですけど‼︎でも、いいの!なぜなら私は、巨大合体ロボが大好きだから‼︎

とにかく、突っ込み待ちが多過ぎる!ボケ、ボケ、ボケまくり‼︎

いやぁ〜本当に楽しかったです!

私、本当に、こういうバカコンテンツが大っ好きなんだよ〜〜マジメで頭のいい友達にはよく怒られてたんだけど、どうっしてもやめる事ができないのぉ〜〜

 

それにしても、やはり、ギレルモ デ トロは凄いと思った。

アップライジングは、とにかくいろんなエキスをがっつん、がっつんぶっ込んで、混ぜこぜにして、訳がわからない状態になっている。

それに比べて、前作は最初から最後までトーンが統一されていた。確かな世界観の上に物語が構築されていた。無茶苦茶な展開にも耐える、確固たる世界観だ。ブレがない。トロ、凄い。

アップライジングはブレまくり。全く統一感が、ない。

映像も、トロはとにかくKAIJUが格好いいのが第一、あとイェガーが格好いいのに魂を賭けていたと思う。だから、ストーリーも非常にしっかりと作られている映画なのに、ぱっと見、派手な戦闘シーンのみの映画のように見えるくらい、とにかく格好良い映像だった。

アップライジングはストーリーもメチャクチャだが、映像もヒドイ。イェガーとか、格好良く作っているけど、見せ方がダメ。操縦室でティフリギ(後ろ回し蹴り。空手とはちょっと違う。)的なのをやっているのを見かけたのでございますが、「修羅ランド」のマスカットちゃんと同じくらいヒドイ。(その後マスカットちゃんは「スロータージャップ」で殺丸になっており、白帯から青帯くらいになっていたので、おばちゃん、安心したざます。あまりに可憐すぎて、マスカットちゃんというよりマーガレットちゃんって感じだったよ…)ハリウッドのお金を湯水のように使っている映画が、日本の大学生が作った映画(予算10まんえん位)並みの映像ってドイウコト?(しかも「修羅ランド」はナニなところもあったが、監督の個性の出た面白い映画だった。)

トロは一つたりとも気の抜けた映像はなかった。

アップライジングは、比べるとやはりダメな映画なのだが、別物として突っ込みながら見ることができる人には、楽しめると思う。

 

怪獣とKAIJUについて。

パシフィックリムは、日本の怪獣映画好きのオタクが作った映画かもしれない。しかしあれは、ギレルモ デ トロの、キリスト教徒の作った映画だった。海底の深淵から現れるKAIJUは、邪神であり、この世ならぬものであった。怪獣というより、冥界の王や堕天使やクトゥルフの神々に近いように感じた。全く異質な存在だった。

しかし、日本の怪獣は、自然の中から生まれた神である。まつろわぬ神かもしれないが、この世のものだ。宇宙から飛来する怪獣ですら、そのように創造されていたと思う。

なんというか、根本的に違うものだと思う。

このあたりの、キリスト教的、またはイスラムユダヤなども含めた一神教的な価値観から作られた映画と、アジアの多神教の文化の中から生まれる映画については、また、書きたい。ロシアのキリスト教と見せかけた多神教的価値観とかね。

ニッポン国VS泉南石綿村を見たメモ

今日見た。本は、最初のインタビューをちょっと読んだだけ。

以下、印象のみ。

 

この判決というものが、勝訴ということになっているのだが、少し引っかかりを感じる。

結局、家族曝露と近隣曝露は認められなかった。

つまり、論点が非常に狭められている。

環境問題としてではなく、労働環境とその国の監督責任のみが認められたのか。

納得出来ないなぁ。

 

ドキュメンタリー映画だし、監督は原一男だし、仕方ないんだが、人に焦点が当たっていて、裁判については、必要最低限のみ。情報が足らない。

まぁ、仕方ないか。

しかし、流石の面白さ。4時間も見ていたなんて信じられない。体感2時間。

 

判決には納得出来ないが、決して治る事はなく、どんどん病状が悪化する原告の事を考えれば、一旦区切りをつける事が出来て良かったのだろう。

原告や亡くなった原告、遺族の方達。出て来る人達が素朴で控え目な人達ばかりで、本当に気の毒になる。現代日本か?本当か?昔の映画でも見せられているんじゃないのか?

「働いてお金をもらったんだから、その結果病気になったとしてもしょうがない。」

これを、病気で苦しむ本人が言うのだから。

本にあった言葉。

「国の不作為で理不尽な被害を受けた人達」

その人達がこんなことを言うというのはあきらかにおかしい。

だが、そんな人達に、争いを強要する事は酷である。

大臣が出て来て謝罪したら、それで誠意を示してもらえたと思うのならば、それでもいいのではないか。

亡くなった人は戻らず、失われた健康はもとに戻らないどころか、どんどん悪化していくのだ。せめて心の平穏を。

 

しかし、それでも私は、亡くなった原告の家で謝罪する塩崎大臣の一挙手一投足に鋭い眼差しを向ける原告団代表の柚岡氏の、俺は納得していないぞ、といった感じのその強い双眸を支持したい。

 

とりあえず、みんなが口を揃えて酷いと言っている三浦判決は読んでおきたい。

関連判決も、出来たら抑えたい。

しかし〜〜時間が〜〜無い〜〜

バカな映画を見なければ〜〜時間はあるのだが〜〜だがしかし〜〜それはムリ〜〜無理なんだ〜〜

 

 

女たちと、男達と、子どもたちー「花咲くころ」「精神の声」あと「ワンダーストラック」

「花咲くころ」は、監督のデビュー作らしいが、非常に端正に作られていて、ちょっと出来すぎとも思うが、美しいいい作品だった。

物語は春から初夏にかけて、ソ連崩壊後の内戦のジョージアで、少女達のまわりで起こる事柄を描く。

14才のエカは、父が不在の家で母と姉と暮らす。エカの親友のナティアは、アル中の父、それから母と祖母、反抗的な弟と暮らしている。

エカは少し小柄で思慮深い少女、ナティアは大人びた感じの魅力的な少女だ。

彼女達のまわりで起こる事件が、その時代のジョージアを語る。

一つ一つが非常に印象的なエピソードなのだが、一つ選ぶとすれば、ナティアの誘拐婚のエピソードと、ナティアの結婚式のシーン。

ナティアに恋をしている少年が、白昼堂々と沢山の人の前から、仲間達と一緒にナティアをさらうのだ。ナティアは抗うし、エカも必死でナティアをかばおうとするが、まわりの大人達はただ見ているだけ。そして、ナティアはさらわれてしまう。女性の純潔が重視される為(映画では、少女達の会話で、処女でなかった為に離婚された女性の話がでてくる。)相手と結婚するしかない。

このエピソードには少し誇張があるか、何かの暗喩である事を祈ってしまうほど酷いエピソードなのだが(あろうことか、少女がさらわれるのを、まわりの大人達は見ているだけなのだ!)実際にジョージアでは誘拐婚によって学校を辞める少女がいた、という事だ。少女の教育は、女性の自立を考える上で非常に重要である。いや、性別に関わりなく子どもから教育の機会を奪う事は、許されないと思う。まわりの大人がろくでもなくても、教育の機会さえあれば、子供は他の真っ当な大人から学ぶことができるかもしれない。

(少なくとも私は、そう信じている。この世から一人でもDQNが減る事を祈って、税金納めているよ、私は。)

そして、そのナティアの結婚式でエカが踊る。民族舞踏なのだが、まわりの冷やかすような雰囲気が「?」だった。映画が終わってから調べたところ、エカが踊っていたのは男性舞踏だったらしい。なるほど、抗議の踊りだったのか、と納得した。

抗議、という事では、ソヴィエト的な女教師の授業を子供達がボイコットするシーンと、その後の色々な事情を抱えた子供達が、それを超えて遊園地で遊ぶシーンは、民族紛争を乗り越えて国内の融和を願う気持ちが込められていたのか?

揉め事、混乱、理不尽な出来事、表面的な平穏、不本意な和解。それらが、いくつものエピソードで繰り返し語られる。しかし、そういったものを乗り越えた先の本当の和平を、理想を感じさせる、初々しく、瑞々しい作品だった。

 

「精神の声」はソクーロフ特集で上映された。300分超。休憩時間入れて、拘束時間7時間弱?ひえ〜

もっとソクーロフ特集に通うつもりだったが、結局これのみ鑑賞。

タジキスタンアフガニスタンの国境の紛争地帯に派遣されたロシア兵達を、写す。説明一切なし。

見る前の知識、国境の紛争地帯のロシア兵の映画、見た後に、この映画に写っている兵士達は、ほぼ全員戦闘で死亡と知る。

それだけ。

戦場の風景が映し出され、見回りをしたり塹壕を掘ったり、食事をしたりといった、日常が繰り返される、ひたすらの反復の映像。

モーツァルトとベートーベンと武満。

そして、戦闘、静寂。

映し出されるロシア兵達は、驚くほど幼い。おそらく、10代くらいかと思われるような少年がいたりする。童顔の日本人からすると、おっさんに見える人もいるが、笑顔が幼い。おそらく、大半が20代前半だろう。

「花咲くころ」を見ながら、2,3日前に見たこの映画を思い出した。直接の共通点はない。しかし、ソ連邦解体の流れの中の混乱という事と、戦闘シーンを直接写さずにその精神的なものを表現している、ということから連想したのだろうか。

 

「花咲くころ」の少女達は、あまりに出来過ぎているが、「ワンダーストラック」の子供達は、非常にリアルだった。

子供特有の傲慢さー嫌な意味ではなく、何も恐れるものなく、自らの正義や希望を貫く、非常に真っ直ぐな純粋さが、心地良かった。

1927年の少女と1977年の少年という、時代が違う少年と少女を中心に物語は進む。二人は耳が聞こえない為、セリフが非常に少ない映画だった。つまり、説明がほとんどない。新聞の切り抜きや本にはさまっているしおり、風景や表情、そういった情報を繋ぎ合わせて物語を読み解いていく。バラバラだった物語が後半一気に重なり合い、絡み合い、物語の全体が見える瞬間は感動的だった。

非常に素晴らしい作品だった。

 

先週見た11本の映画から、連想ゲームで書いたら、こんな感じ。立て続けに、子ども達の物語を見た。

今週はなんかバタバタ仕事していたら5本しか映画見てない。GW前に、来週は頑張って片付けよう。(ほとんどノルマ。これだからオタクって奴は…)

そんで、GWはすでに30本以上前売り券買ってるんだけど、バカなの?私。多分、9日間で40本くらい映画見るんじゃないかと思うが、アホなの?私。とりあえず、50本以内に収めよう…