いきおくれ女子いろいろウォッチ

映画の備忘録として

EU FILM DAYSに行ってきた。ーラスト センテンス

EU FILM DAYSは、今年は5/26から始まっていたのだが、今日ようやく行ってきた。

毎年、GW明けはなんか疲れが吹き出して、あまり映画を見ないのだが、今年は体調崩した事もあり、更にダラダラしていた。GW明けは15本位しか映画見てないよ。

さて、EU FILM DAYS一本目は「ラスト センテンス」。どんな映画かというと、「中立政策を取るスウェーデンで、1945年に亡くなるまで反ファシズムを訴え続けたジャーナリスト、トーニー セーゲルステットの生涯を描いた映画」との事。

これが抜群に良かった。完全に魂をもっていかれた。

帰りの電車で調べたら、監督のヤン トロエルは2014年の東京ノーザンライツで特集が組まれていた。「ハムスン」と「マリア ラーション」、この2本ともすごく面白かった。

とくに「ハムスン」は、私がもし小町映画ベスト10を選ぶとしたら、間違いなくランクインさせる、私のこれまでの人生で見てきた何千本という映画の中でもトップクラスの小町映画。すごいよ〜

そういえば、「ラスト センテンス」も小町要素てんこ盛りだった。

 

色々書くの面倒くさいので(おい。)一つだけ。

冒頭、そして劇中も何度も繰り返される、川の流れの映像とシベリウスの悲しきワルツ。それを見ていると、頭の中で別の物語が始まってしまう。

私は、映画に集中しすぎると、たまに頭の中で別の物語が始まってしまう。映画がつまらないとか、集中できないとかではなく、面白くて映画に集中しすぎると、たまにそういう事がある。何故か全く関係ない物語が頭の中で始まってしまうのだ。

今日は、悲しきワルツがかかると、頭の中で乱闘というか殺し合いが始まった。

格闘シーンのBGMって、交響曲とか派手だけど、あの静かな悲しきワルツで、結構派手なアクションだった。イメージとしては、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の火事のシーン。

誰かそんな感じの映画作ってくんないかな。

 

「ラスト センテンス」は、本当に素晴らしい映画だった。血は一滴も流れないし、残酷な表現は一つもありません。幽霊はちょっと出てくる。そして、小町度数高めです。

 

逃げる。ーフロリダ プロジェクト、ヘンリー フール トリロジー、あもーる あもれいら とか

6/1金曜日の映画の日は「フロリダ プロジェクト」を見てきた。

先週はヘンリー フール トリロジーをずっと見ていたので(ポスターもろた。)、映画を見終わってから、あぁ、今週は"逃げる"映画の週だったなぁ、と思った。4本とも見ている人にはご理解いただけるはず。

 

フロリダ プロジェクトは、サブプライムローン後の貧困層の子供たちが主役の物語である。

主人公の少女・ムーニーはディズニーランドの近くのモーテルで母親と暮らしている女の子だ。家は無く、母親は定職についておらず、ボランティアが配布するパンや友達のお母さんのおすそ分けで日々の糧を得ているような状況だ。モーテルには、同じように住み着いている人達が沢山いる。彼らは人種も境遇も様々だが、共通点は明日の生活費にも事欠くような貧しさにある。そんな、モーテルでの生活を、子供達の視点から描いた作品だ。

 

映画を見ていて、一番強く連想したのが、岡村淳監督の「あもーる あもれいら」だ。岡村監督は、ブラジルに移住してドキュメンタリー映画を撮っていて、たまに日本に帰国して上映会をやってくれる。(このところ、見逃してしまってばかり…)「あもーる あもれいら」は、ブラジルの貧しい家庭の子供達が通うキリスト教の保育園の1年間を追った3部作のドキュメンタリーである。(初めて見た時は第2部までしか出来てなくて、完結編を見る事は出来るのか?と思っていたけど、無事見る事が出来た。あれは何年前だ?)

「フロリダ プロジェクト」の方が、より悲惨なある出来事を描いているのだが、「あもーる あもれいら」の方がキツい現実だ。リアルなのだから当たり前かもしれないが、どんなに天才的に演技が上手くても、現実の重みには及ばない。残念ながら。

「あもーる あもれいら」で一番印象に残っているのが、聖書の一句を子供達がそれぞれ暗唱する発表会?の時のシスターの言葉。「あの子達は日常で非常に汚い言葉に触れている。一瞬でもいいから、清らかな言葉に触れさせてあげたい。」確かこんな感じだったと思う。

色々な子供や、親達が映画には登場するのだが、その中でティーンエイジャーの母親が出てくる。離婚したシングルマザーで、子供が確か2,3人いたと思う。その母親の言葉の乱暴さは凄かった。字幕でアレなのだから、本当はもっと酷いのだろう。そんなのを見ると、シスターの言葉の重み、思いに胸が痛くなった。

 

「フロリダ プロジェクト」を見ながら、やはりそこを連想した。

ハリーは娘のムーニーにとって愛情に溢れた母親かもしれない。2人は非常に強い絆で結ばれており、幸せそうだ。

しかし、ハリーは自堕落で、社会的に正しい振る舞いをすることが出来ない人間としても描かれている。ムーニーも、大人を小馬鹿にした、恐らく常識的な人間を非常に苛立たせる行動をする。それは、母親のハリーとそっくりな行為だ。2人の行動は、2人の間で繰り返される。

汚い言葉や愚かな行為が親子の間で反復されるのだ。そこには、暗澹たる未来しか想像する事が出来ない。

児童福祉局(だっけ?)の介入は、当然の結末であり、ハリーはムーニーを手放したくはないが、心のどこかでは、それを予想し、ムーニーの為にそれを望んでいたのではないか。

そしてラスト、まさかのムーニーの親友のジャンシーの大活躍。

児童福祉局から逃げてきて、ただ泣きじゃくるムーニーを前に、難しい顔をするジャンシー。ムーニーもこの結末を予想していたのだろうが、それでも、言葉に出来ない思いに泣きじゃくっていると、ジャンシーは何も言わず、何も聞かず、ムーニーの手を引いて逃げ出すのだ。

私は、それまで忘れていたのだが、そういえば映画の最初の方で、ジャンシーのおばあちゃんが、「娘が15才で子供を産んだのだが、子育てなんて出来ないから私が育てている。」って言っていたんだよ。おばあちゃんに育てられたジャンシーは、常識的な振る舞いをする事が出来る。チビっ子ギャング ムーニーの後ろを追いかけているだけの、ボンヤリした子だと思っていた。しかし、ジャンシーも母親を取り上げられた子供だったのだ。多分、それが一番正しかったのだろうが、それでも、きっとそれは耐え難い事だったのだ。

何から逃げているのか、どこに向かって逃げているのか、それはわからない。ただ、ここではない何処かへ逃げて行こうとする、逃げ出さずにはいられなかった2人の子供の、その逃避行の背景が楽しい夢の国ディズニーランドなだけに、とても哀れだった。

しかし、2人の小さな背中は、大人達の都合で翻弄される彼らの運命に抗うように、そして私の勝手な哀れみなど弾き飛ばすかのように、真っ直ぐで自信に満ちたものだった。

自己を肯定する事に根拠など必要ない、ただ生まれて、そして真っ直ぐに生きていくのだということを強く感じた。

いい映画だった。

 

それに比べて、ヘンリー フールのダメな事、ダメな事。おっさん、逃げて逃げて一体何処に行こうとしているんだ、って感じだった。それにしても、1と2の落差が凄かった。え、いきなりスパイ?というあの展開。なんじゃ、ありゃ?愉快すぎる。

とにかく面白くて、夢中でアップリンクに通ったら、ポイントたまって、ポスターもろた。ありがとうございました。

私だったら…ーレディ プレイヤー ワン

今日、レディ プレイヤー ワンを見てきた。凄い面白かった。本当にあっという間の2時間半。

GW明けから体調崩していて、気管支炎症起こしてセキが止まらず、夜ロクに眠れず…というのをぐるぐる繰り返していたが、ようやく炎症がおさまってきた。久しぶりに、割合いいコンディションで映画を見る事が出来た。そこでいきなりこんな当たりくじを引いて、大興奮です。

あらすじ書くの苦手なので(面倒くさい…)サクッと終わらせると、仮想空間のOASISで繰り広げられる愛と友情と冒険の物語です。(大体あってる。断言。)

 

ネットでは、まだ、wikiと劇中使用曲しか見てないのだが、wikiに「ショウは原作では日本人だが、人種が偏るのでスピルバーグが中国人に変更。」ってあった。なんで、なんでなのー、なんでなのよー、なんで中国人なのにニンジャなのよー、8,90年代で中国っていったらジャッキー チェンじゃないの〜〜⁉︎デブゴンでもいいじゃん!!生きてるとダメなの?じゃあ、ブルース リーでいいじゃんよ!!マジでどういう事なのよ。勘弁してよ。なんでニンジャなのよ。これ、とっても大事な事なので、誰か説明して。人種的多様性とかどうでもいいから、なんでジャッキーじゃないのか、誰か説明して〜〜私には理解できないアルよ〜〜

 

さて、私がもしも、OASISでプレイするとしたら、どんなアバターを選ぶか、どんなコスプレをするか、映画を見ながら考えていた。(みんな考えるよね?)

一番最初に思いついたのは、コンドルのジョー。格好いい〜〜

あと、「俺はガンダムで行く」でなんか五右衛門を連想しちゃったので、次元。格好いい〜〜

でも、男性のコスプレはちょっと恥ずかしい…うーむ…と思って、最後に思いついたのが、アバターJ.Loみたいなセクシーなラティーナで、服装がターミネーターシュワルツェネッガー!!いい〜〜

と、いう訳で、私はOASISでプレイするとしたら、「ターミネーターシュワルツェネッガーのコスプレをしたJ.Lo」にしようと思います!セクシー&強そ〜〜

 

とにかく、ものすごく単純にただ映画を楽しんだ。ちょっと引っかかるとかそういうのがなく、ただ楽しむ事が出来た。

そう、この映画は非常に単純でストレートな映画だった。だから、素直に楽しむ事が出来た。さすが、スピルバーグ

実は「リメンバー ミー」の感想を書きかけなのだが、沢山の人達による計算され尽くしたあの映画と同じくらいのレベルで、平等で愛に満ちた「レディ プレイヤー ワン」の世界を作り上げるスピルバーグって、やっぱり凄い。(非常に優秀なスタッフがいるにしてもね。)

 

いけない、パーシバルの車にもの凄くテンションが上がった事を、書き忘れた。

車は全然興味ないし、BTTFも普通に大好きくらいなんだけど、ガルウィングは本当に大好き。

映画始まって、あの車でレースに勝って、もううわーってテンション上がって、最後までそのまま持っていかれた。

やっぱ、スピルバーグ、凄い。

 

追記

ロボットだったら、ザブングル!と主張するのを忘れた。

朝っぱらから、こんなアホな事言ってるヒマないのにぃ〜〜でも、これ、この主張は非常に大事なことなので。

私だったら、ザブングルに決めますよ、ええ。

爆音映画祭に行ってきたーシング ストリート、それから、はじまりの歌

念願の爆音の「シング ストリート」を見る事が出来た。新宿では、どうしても時間が取れなくて見逃したので、ようやく見る事が出来た。「はじまりの歌」は劇場公開時は見逃したので、今回が初めて。

 

「シング ストリート」は、大好きなシーンがある。オタクには、かなり泣けるシーンだと思う。

私は、映画を見て本当によく泣く。下手すると予告を見ながらうるっとしているくらい。だから、泣かせにくる映画が大嫌いだ。安い演出がわかっているのに、生理現象で泣いてしまうから。でも、マジ泣きする映画は、本当に心を動かされる映画は、大好き。

「シング ストリート」にはそんな、本当に心を動かすシーンがあった。

ただのボーイ ミーツ ガールではなく、素晴らしい青春映画だと思う。

 

物語は主人公のコナーが家庭の事情(金銭的な)で高校が転校となるところからはじまる。

不仲な両親(母親の不倫)、不本意な転校(私立から公立高校へ)、経済的に余裕のない家庭(父の失業)、兄は大学中退後引きこもり(だけど、コナーの一番の理解者であり、ロックの師匠。)問題は山積み。

転校先はカソリックの公立校で、厳格な校長や乱暴な同級生に目を付けられてしまい、不穏な始まり方をする。

しかし、学校の前でたたずむ魅力的なラフィーナを口説く為に咄嗟に口をついた嘘「僕達はバンドをやっていて、今度ビデオを撮影する。モデルとして出演して欲しい。」を実現する為、バンドをつくり、曲を作り、友達が出来て、コナーは変わっていく。

そして、映画的には中盤の山場くらいかもしれないが、私的にはこの映画の最高の見せ場、アメリカのプロムをモチーフにしたMVを撮影するシーン。

MVは、高校の体育館で撮影をする。

コナーの目の前にあるのは、MVに出演するエキストラのクソダサい同級生達と、冴えない自分達、しみったれた体育館。コナーの心の内の憂鬱は、ついに別居となった両親、尊敬しているが心配もしている兄。

しかし、美しいラフィーナさえいれば、そんなくすんだつまらない現実も乗り切る事が出来るのだ。

コナーはラフィーナが現れ、いつものように自分のこのしょっぱい現実を忘れさせてくれる事を待つ。

しかし、ラフィーナは来ない。

みんなは、体育館で撮影出来る時間には限りがある、ラフィーナは来ないから撮影を始めよう、と言う。

ラフィーナは、来ない。

ラフィーナには、車を持っている年上の恋人がいて、2人でロンドンに行く約束をしている事を、コナーは知っている。しかし、コナーはお構い無しにラフィーナに恋していた。なんだか、最近いい雰囲気でいけるんじゃないか、と思っていた。

だけど、ラフィーナは来ない。

ついに撮影がはじまる。

そして、ラフィーナは来ないのだ、とコナーが受け入れた瞬間に、世界は変わるのだ。

それまでは、バンドに打ち込む事で辛い現実から逃げる事が出来たし、なにより美しいラフィーナが様々なインスピレーションを与えてくれた。

しかし、ラフィーナは来ない。

だから、その事を理解した瞬間に、コナーは自らの想像力で、自らの想像力だけで、くすんだ冴えない現実を、鮮やかな世界へと変化させるのだ。

まじ泣きします、あのシーン。

妄想ではなく、空想。

ただ想像力だけで世界を作り変えるのだ。

ラフィーナ(幻想)が現れる瞬間、だーっと涙がこぼれたよ。

友達沢山いて、素敵な恋人がいて、ウェ〜〜イな青春をお過ごしになった皆々様におかれましては、私が何を言っているのか理解し難いと思いますが、あのシーンはぼっちのオタク泣かせ。

その後、本番のプロムでのライブは、大いに盛り上がり大成功する。そこでは、本当に盛り上がっている沢山の観客がいて、反逆精神あふれるロックなパフォーマンスがあり、そして本物のラフィーナがくるのだ。そこには空想はなく、希望通り上手くいかなくても、それでも魅力的な現実があるのだ。(これが、この映画の本当の山場。)

 

それにしても、爆音上映の不思議なところって、非常に強く感情を揺さぶられるのだよな。あれはなんなんだろうか。初爆音からずっと考えているのだが、不思議だ。これについては、また書こう。

とにかく、爆音シングストリート、最高だった。通常上映より当者比1.5倍くらい泣いた。

「はじまりの歌」も、いい映画だった。こちらは、大人のための現代のおとぎ話。ゆっくり、じっくり楽しみたい作品だった。

カナザワ映画祭に行ってきた。

カナザワ映画祭 世界UMA怪談大会。GW後半のお楽しみ。

ラインナップ見た瞬間にチケット全部買いを決めていたのだが、実際に大人買いをしてしまった。

だって、私の小学生のころの愛読雑誌はムーと詩とメルヘンだったんだよ〜〜詩とメルヘンは、学級文庫においたり、友達と絵を模写したり、先生に貸してあげたりしてた。でも、ムー友達は一人だけ。たった一人だけ。毎号楽しみで楽しみで、ワクワクしながらコッソリ二人で回し読みをしたよ。私は特に読者の本当にあった怖い話系が大好きで、いつかこんな怖い目にあいたい〜と、ずっと願い続けていたけど、ダメだった。金縛りすらない、霊感0人間。

映画祭は、脳みそから変な汁が噴き出すほど楽しかったのだが、本当に疲れた。その割に、脳みそは興奮状態なので、火曜日になってもなんか寝付けない。

それにしても、GWを半分潰してまで鑑賞する価値があるとは、とてもではないが思えない、あのクソラインナップ。でも、楽しい。悔しい…この苛立ちを、一体どこへぶつければいいのか…

 

一日目は、モンスター×爆発とか、モンスター×放射能とか、なんかそんな感じのばっかり見ていた。なんか理由つけようとすると、すぐ放射能、どうにか事態を収拾しようとすると、すぐ燃やして大爆発。そんなんばっかり。本当にそんな映画ばっかり、一日中ずーっと見ていた。しかもインターバル15分くらいで。

二日目は、恐竜、怪人、魚人、野人が暴れまくってた。恐竜を追っかけたり、追っかけられたり、変身したり、殺したり、殺されたり、ロンリーだったり、めっちゃくちゃ。そんな映画ばっかり、一日中ずーっと見ていた。しかもインターバル15分くらいで。

三日目は、魔物でまた放射能…と思わせといて、今回唯一のいかれているけど普通の映画(?)がありつつ、野人祭。そんな感じの映画をインターバル15分くらいで、一日中ずーっと見ていた。

四日目は、野人とゴリラがなんかしてんのずーっと見てた。(雑)

 

ちなみに、四日間の共通点は、UMAではない。共通点は「女がウザイ」。今回のカナザワ映画祭の裏テーマは、実は「女がウザイ」じゃないかという疑惑がわき起こるほど、ウザイ。あのウザさ、話が通じない恐ろしさは、UMA以上。クソ映画って、本当に女性の扱い、やる事、やられる事が、酷い。

テキサス チェーンソーとかは、女がウザくない。何故なら、悲鳴が素晴らしいから。訳のわかんないウザイ理屈を言ったり、駄々こねてるヒマがあったら、悲鳴をあげて逃げ惑え、と思う。

そういえば、去年の年末頃に見た爆音のテキサス チェーンソーは本当に素晴らしかった。素晴らしい悲鳴だった。

 

なお、今回のカナザワで私が一番気に入ったのは、「ネアンデルタールマン」。とにかく酷いクオリティなんだけど、ブサ可愛いいところにほっこりした。あれ、ずるいよ。

漂う哀愁、滲み出る情念が強い作品ほど、味わい深い。イーガーやワニ人間、ポゼッションは、その点で素晴らしかったと思う。

でも、ネアンデルタールマンのブサ可愛いさの前では、無力。あの、つぶらな愛くるしい目の前では、全く無力。

可愛い、マジ最強ですわ。

 

イタリア映画祭に行ってきた。

GW恒例のイタリア映画祭。

いつもは、まったりとGWの間にイタリア映画祭に通いつつ、お買い物したりしつつ、美術館に行ったりしつつ…なのだが、今年は後半に「あれ」がある為、前半に集中して通う。(あのラインナップ…チケット大人買いしちまったよ。いまいましい。)

今年のお買い物の成果は、交通会館のマルシェのこごみとタラの芽くらいだよ。きぃ〜〜ぃ。

私はお料理が下手くそなので、タケノコとかワラビの灰汁抜きなんて出来ないので、アクの少ない山菜を、煮びたしにしたりポン酢あえにするくらいがせいぜい。こごみとタラの芽は、私でも扱える山菜なのだ。そんで、それをつまみにして、お酒を飲むのです。極楽〜〜

交通会館は、アンテナショップが色々あるので、他にもふき味噌だの、海苔の佃煮だの、ままかりの酢漬けだの、なんていうか、茶色い侘しいお買い物を楽しみました。そんで日本酒を飲んでました。極楽〜〜

この季節は新酒が色々あって、本当に楽しい。お酒を飲み過ぎてしまう人には、美味しいお酒にはまる事をオススメしたい。美味しいお酒は高いから、あまり沢山飲めないし、酔っ払うと、それまで美味しかったお酒の味がわからなくなるから、そこで終了する事が出来る。

まぁ、味なんか関係なく、焼酎を浴びるほど飲んで酔っ払うっちゅうのも楽しいけどね。

 

さて、イタリア映画祭。

この映画祭の観客は、他の映画祭と違って、映画が好きという人よりもイタリアが好きという人が多いと思う。

2,3年前かな?ジャンフランコ・ロージ監督と想田監督のトークがあったのだが、その時アンケート的に挙手を求められた。これから日本で劇場公開されるロージ監督の作品と、想田監督の作品を見たことある人。結果は、前者を見た事がある人の方が多かった。どちらもドキュメンタリー映画の監督なのに、まだ日本で劇場公開されていない作品を見ている人の方が多かった。映画好き、ドキュメンタリー映画好きよりも、イタリア好きの人が多いんだなぁ、と思った。

あと、イタリア映画祭のカタログは、非常に写真が多い。キャストが非常に細かく書いてある。巻末には、特に人気のある俳優達のキャリアやフィルモグラフィーまでついてくる。さらに、そこには、交際中だの破局しただの、週刊誌みたいな情報がのっている。そんな映画祭はイタリア映画祭だけ!

今年の1番のなんじゃこりゃな情報は、ヴァレリア ゴリーノのページ。「スカマルチョ(ジョン・ウィック2のマフィア)と結婚秒読みと言われていたが2016年破局」…必要か?この情報。でも、イタリア映画祭は、スターのファンとかが多いから、きっと必要なのでしょう。毎年楽しくゲスゲスしく拝見しております。

 

今年は、19本(内新作14本)中、9本鑑賞。

基本的に私は、劇場公開が決定している作品は、映画祭では見ない。(なお、劇場公開されやすいのは、ヒューマンドラマとコメディー。)

映画祭では、劇場公開しなさそうな作品で好み(と思われる)作品を中心に攻める事にしている。スター俳優の出ない地味な人情物は、劇場公開されないけど、あまり見ない。

今年は、「フォルトゥナータ」は底辺女性が奮闘する良質なヒューマンドラマ、「環状線の猫のように」はいい感じのイタリアンコメディーだったので、もしかしたら劇場公開か特集上映とかされるかもしれないので、見なくても良かったかも。

シチリアン ゴースト ストーリー」「チャンブラにて」「侵入する女」は、地味なマフィア映画。恐らく劇場公開はムリ。三作とも非常に良い作品だったので、これは見てよかった。「チャンブラにて」は他の二本ほどアート寄り(シチリアン〜)でもなく、ドキュメンタリー寄り(侵入する女)でもなく、物語も他の二本よりは分かりやすいけど、それでも劇場公開はムリだろう。見といて良かった。

以上、雑な感想。詳しい感想は、また書くかも。

お酒と映画

旅行中に気が付いた「お酒映画ベスト10」

どっちも大好き、両方合わせて諭吉を何枚つぎ込んだかわからないくらい好き。

と、とりあえず、参加だけでもしたい、と思って、帰りの新幹線で殴り書きする。

お酒と映画は切っても切れない関係にあるので、キリがない。そこで「最近の映画で、お酒が意味を持っている映画」という私ルールを作った。あと、お酒がらみの好きなシーンがある映画と、お酒が効果的に使われている映画でわけてみた。

パッと思いついた10本は以下。ちゃんと考えたら、10本に絞り切れないよ…

 

1.ル・アーヴルの靴みがき (2011年、フィンランドアキ・カウリスマキ監督)白ワイン
2.インビテーション(2015年、アメリカ、カリン・クサマ監督)ワイン
3.ブルージャスミン(2013年、アメリカ、ウディ・アレン監督)シャンパーニュ、ウィスキー
4.アデル ブルーは熱い色(2013年、フランス、アブデラティフ・ケシシュ監督)ワイン
5.ゼロ グラビティ(2013年、アメリカ、アルフォンソ・キュアロン監督)蒸留酒
6.キャロル(2015年、アメリカ、トッド・ヘインズ監督)マティーニ
7.ソニはご機嫌ななめ(2013年、韓国、ホン・サンス監督)焼酎
8.汽車はふたたび故郷へ(2010年、グルジアオタール・イオセリアーニ監督)ワイン
9.イタリアは呼んでいる(2014年、イギリス、マイケル・ウィンターボトム監督)ワイン
10.ジャッキー・コーガン(2012年、アメリカ、アンドリュー・ドミニク監督)ビール

 

(表記が、やってはいけないことリストに上がっている事を全部やっているようなヒドイ有様だった。遅ればせながら、訂正した。本当にすみません。時間切れで、集計から弾かれている事を願う。)

 

そして、パッと思いついたものなので、お酒に非常に偏りがあり、ワインばっかりになってしまった。カクテルなんて、マティーニを無理やり突っ込んだ一本のみ。愛する日本酒は、どうしてもドキュメンタリーしか思いつかなくてゼロ。日本酒を印象的に飲んでいる最近の日本映画って、どうしても思いつかない。

うー、悔しい、なんか思いついたら、番外編を書こう。

 

1.ル・アーヴルの靴みがき (2011年 フィンランド 監督アキ・カウリスマキ お酒白ワイン)お酒がらみの好きなシーンがある映画。
主人公のマルセルがレストランで一人で食事をするシーンがある。そこでいつも通りグラス一杯の白ワインとオムレツを注文しようとしたが、値上がりしたらしく手持ちのお金では足らない。(マルセルは靴みがきで生計をたてていて、低所得層に属する。)そこで「卵一個のオムレツとグラス一杯の白ワイン」とオーダーする。(本当は、オムレツは卵2個)
こう書くと、「アル中!」と怒る人がいるかもしれないけど、違うのだ。これは、ただの格好つけ。ポリシーというか、スタイルというか。
マルセルは頑固ジジイなのだが、なんか、このシーンが非常に良かった。好きなシーン。
映画も、とてもいい作品だった。


2.インビテーション(2015年 アメリカ 監督カリン・クサマ お酒ワイン)お酒が効果的に使われている映画。
2017年の未体験ゾーンで鑑賞。シッチェスで受賞しているサスペンス、スリラー、ホラーと言ってもいいかもしれない作品。
元妻のパーティに、現在のパートナーと招待されたウィル。元妻は資産家で、ウィルもかつては住んでいた高級住宅街の豪邸に招待される。ウィルと元妻の間には一人息子がいたが、その一人息子が事故死した後、元妻は精神を病み、新興宗教にはまってしまった。そこで現旦那と出会った事が原因で、ウィルと元妻は離婚する。
で、そのパーティには、元妻が新興宗教にはまったころから疎遠になっていた友人達が招かれている。久しぶり〜〜と再会を喜びつつも、なんか不穏な雰囲気があり、みんな微妙な顔。
パーティなので乾杯をするのだが、それが、ボルドー五大シャトーの古いビンテージ。(詳しい事は忘れた。ええええぇ〜〜ってなったのだけは覚えている。)招待客もマジで?って感じで顔を見合わせてる。
で、その後色々な事があり、最後のシェリー(これもすごいのだった。けど、忘れた。)で大事件、そして怒涛のクライマックス、という映画だった。
とにかく、スゴイお酒が出て、ええっ、てなる。ホームパーティのレベルじゃない。このパーティはただのパーティではない、という事がお酒からありありと伝わってくる。そして、勿論ただのパーティではなかった。
この作品はすごい面白かった。劇場公開されなかったのが残念。まぁ、スター俳優が出てないから、しょうがないか。


3.ブルージャスミン(2013年 アメリカ 監督ウディ・アレン お酒シャンパーニュ、ウィスキー)お酒が効果的に使われている映画
映画が始まったばかりの時は、破産してお金がないにも関わらず、シャンパーニュが飲みたいとか言って、安いお酒を飲んでいる妹やその彼氏達を小馬鹿にしているジャスミンが、最後にはその、安いウィスキーを飲んで酔っ払っている姿が、怖かった。
落ちぶれ具合を身だしなみやお酒で表現していて、それをあの完璧な美貌のケイト ブランシェットが圧巻の演技で演じていた。そりゃあ、主演女優賞を受賞するでしょうよ。

 

4.アデル ブルーは熱い色(2013年 フランス 監督アブデラティフ・ケシシュ お酒ワイン)お酒が効果的に使われている映画
この映画では、階層を表現するのにワインが非常に効果的に使われていた。
エマの家では、カキにあわせて白ワイン(おそらく、ロワールではなくシャブリ。)が出される。ワインに合わせて、グラスも出して、セッティングをしていた。エマの両親は、芸術や娘の性的嗜好に理解を示していた。
アデルの家では、パスタがガツンと出されて、みんなでそれを取り分けて食べる。赤ワインは、普通のグラスでがぶ飲み。(こっちのパスタの方が美味しそう…)両親は公務員押しで、アデルを理解しようという雰囲気はない。
アッパーとミドルのクラス感が非常によく表現されていた。


5.ゼロ グラビティ(2013年 アメリカ 監督アルフォンソ・キュアロン お酒蒸留酒?)お酒がらみの好きなシーンがある映画
ジョージ クルーニーが帰ってくるシーンで、ここに酒を隠していたのさ、というシーン。(いや、他にもアドバイスとかしますけどね。お酒はメインの用事ではないですけどね。)あのシーンが、本当に好き。映画自体は、別に、普通に好き程度なんだけど。
あのシーンは夢か現かよくわからない感じになっているが、どっちにしても「ああ、この人は死んでしまったのだ。」という事が伝わってくるシーンだった。
それまではサンドラ ブロックも、宇宙の深淵に消えていったジョージ クルーニーを、もしかしたら助ける事が出来たかも、などという後悔とか、もしかしたらまだ生きているかもしれない、という思いがあったかもしれない。しかし、あのシーンで、ああ、この人は死んでしまったのだ、ということが腑に落ちたのではないだろうか。私は、そんなシーンだったと思った。

そして、死に囚われたサンドラ ブロックを、解放し救ったように思った。

非常にいいシーンだった。


6.キャロル(2015年 アメリカ 監督トッド・ヘインズ お酒 マティーニ)お酒が効果的に使われている映画
キャロルがマティーニを飲むシーンが、非常に格好よくて、テレーズが憧れるのも納得してしまうシーンだった。デパートのシーンだけだと、ただの一目惚れで、ちょっとストーリー的に甘くて弱いんだけど、惹かれていく過程が格好良く演出されていた。


7.ソニはご機嫌ななめ(2013年 韓国 監督ホン・サンス お酒 焼酎)
ホン サンス=お酒というくらい、よくお酒を飲んでいる。あの、ダラダラお酒飲んでいるところが、ホン サンスの描くダラダラした男女にも通じる。

7位ホン サンス作品全部としたいくらいだが、とりあえず「ソニはご機嫌ななめ」にしてみた。この映画は特に、韓国人お酒強いなぁ〜〜としみじみ思う映画だった。自分のか弱い肝臓と比べると、本当にあの人達すごいよ。昼から焼酎ストレートでガンガン飲んでいるんですよ、あの人達。凄い。羨ましい。私にその肝臓を下さい。


8.汽車はふたたび故郷へ(2010年 グルジア 監督オタール・イオセリアーニ お酒 蒸留酒、ワイン)お酒が効果的に使われている映画

主人公が、フランスへ亡命する前に政府高官にワイロでワインを持っていくシーンがある。ラベルとかなんにも貼っていない古ぼけたボトルを差し出して〇〇ですよ、っていうと、おおって喜んで受け取っていた。

さすが、黒海沿岸ワイン発祥の地、と思った。

あと、映画の冒頭でなんか蒸留酒ウォッカ的な何か?)を作っているのだが、雰囲気からいって密造酒?かしら?って感じだった。「子供は飲んじゃダメ」とか言われていたが、確か盗み飲みしてなかったっけ?まぁ、ダメと言われたら、イタズラしちゃうよね。


9.イタリアは呼んでいる(2014年 イギリス 監督マイケル・ウィンターボトム お酒 ワイン)

イギリスのオッサン二人がイタリアで食レポする映画(雑すぎる…)。素敵なホテルやレストランで素晴らしいお料理そしてワイン。素晴らしかった。

ただ、私がこの映画で一番好きなシーンは、実は全くお酒に関係なし。

あるホテルで一つの椅子を発見して、オッサン達はJKのようにきゃあきゃあと大はしゃぎ。「あれやろうぜ〜〜」って言ってやり始めるのが、ゴッドファーザー2のワンシーン。若きドン コルレオーネが父の仇をとるシーン。

ロバート デ ニーロがマーロン ブランドの若かりし頃を、あのフガフガした喋り方を真似して演じるのだが、その真似の真似をオッサン達が大喜びしてやっているシーンが、一番好き。

そのシーンまでも、ず〜っとフガフガした喋り方の色々な役者や役のモノマネしていたのだが、お前らこの「真似の真似」がやりたかっただけなのかよ、今までのモノマネは全部コレのための前振りだったのかよ、と思った。


10.ジャッキー・コーガン(2012年 アメリカ 監督アンドリュー・ドミニク お酒 ビール)お酒が効果的に使われている映画

この映画は、サブプライムローンをギャングの賭場荒らしに置き換えたアメリカ経済の映画、らしい。

途中のレストランのシーンで、小道具の確かビールが、カットによって増えたり減ったりする。同じシーンなのに、さっきのシーンと数が違う、あれれ⁇となる。サブプライムの詐欺みたいな話を上手く、地味に表現していた。

映画の評判はイマイチだったようだが、細かいところまで作りこまれた作品だった。

 

うわぁぁ、締め切り時間に間に合わない。

理由については、追記するかも。とりあえずアップする。