いきおくれ女子いろいろウォッチ

映画の備忘録として

マフィアはイタリア、スパイはイギリスにかぎる。しかし香港映画に勝るものは無い。ードラゴン×マッハ!

 

久しぶりに、劇場が明るくなるまで食い入るようにスクリーンを見ていた。

『ドラゴン×マッハ!』は、鼻血を撒き散らしながらゴロゴロ転げ回って失血死しそうになるくらい興奮する映画だった。

物語も面白かったし、何よりとにかく格好いいのだ。凄く、凄く、もの凄く、格好良かった。最高だった。

 

臓器密輸組織に潜入捜査していた香港警察のチーキットは、素性がバレて組織に捕らわれてしまう。そして臓器密売組織の拠点のタイの刑務所に入れられてしまう。仲間とは連絡がとれず、言葉も通じない孤立無縁の中で、チーキットは白血病の娘を持つ看守(実はムエタイの達人)と出会い、闘い、やがて熱い友情に結ばれ、共に命をかけて巨悪に立ち向かうー

まぁ、そんな感じの(?)映画だった。結構登場人物が多く、それぞれのキャラに事情があるのだが、それを非常に上手くまとめあげて、なかなか見応えがあった。

 

しかし、やはりアクション。本当にアクションがもの凄くて、格好良かった。(こればっか。)

まず、ウー・ジンが潜入捜査官だとバレてしまう空港での捕物、銃撃戦にハラハラする。とにかく見せ方が上手くて、警察、密売組織、ターゲットとその関係者、潜入捜査官が入り乱れて争うのだが、空港の長い長い廊下を使う事で、それぞれの争いが入り乱れながらも絵巻物のように展開していく。敵味方入り乱れているのだが、非常に見やすい。

タイの刑務所での大乱闘シーンもすごく良かった。長回しで撮られているのだが、それぞれの乱闘エピソードが繋がっており、これもまるで絵巻物のようにぐるっと展開していく様が、面白い。隅々までエピソードが散りばめられていて見応えがある。

トニー・ジャー演じる看守のチャイが、刑務所や所長に疑問を持つあたりから、臓器売買の為に掠われて閉じ込められている女子供や、解体された死体など陰惨な場面が出て来る。(おそらく、幅広い観客層を想定してかなり気を使ってゴア表現は控え目。)

最後、ウー・ジンが敵のアジトへ乗り込むのだが、ナイフ使いの眉無しがすごく良かった。

この眉無しは、クライマックスの前に警察がターゲットをガードしているところに1人で乗り込んで、無表情で警官を殺しまくりターゲットを誘拐するのだが、いや〜怖い怖い。ムエタイの達人もカンフーの達人もいないただの警官達10人位を、無表情にためらいもなく排除していくのだ。虐殺といった感じで、非情な恐ろしい殺し屋というイメージだ。

眉無しは補聴器みたいなものをつけていて、一言も発さないので聴覚障害があるという設定なのか?私の狭い付き合いでは、補聴器で聞こえる人は手話を使わず(使えず)喋る人ばかりだから、ちょっとわからないのだが。

とにかく、一言も喋らない眉無しが、ただボスの敵を排除する為に無言で襲いかかってくるのだ。殺るか殺られるか、ですよ。病院の受付の真っ白な部屋でマトリックスバトル。怖い〜カッコいい〜〜

 そして、そして、刑務所の所長のマックス・チャン!最高だった。オールバックに三つ揃いのスーツ!最高過ぎる。

私は、三つ揃いのスーツ姿が大好きで(除く、日本のおっさんのチョッキ)、特にこの映画のマックス・チャンのように逆三体型でキッチリと一分の隙もなく着こなした姿に萌えまくる。

全く関係がないが、私はマフィア映画が大好きなのだが、理由の半分くらいはイタリアマフィアのスーツは三つ揃いだからなのだ。そして、スパイ映画も大好きなのだが、特にイギリスのスパイが大好きなのだが、やはり理由はスーツなのだ。

一昨年の『キングスマン』は私にとって最高の萌え映画だった。昨年の『レジェンド』は、トム・ハーディがイギリスの双子のイケメンマフィアをやるという事だったので、めちゃくちゃ楽しみにしていたのだが、スーツがイマイチだった。トム・ハーディは『裏切りのサーカス』で女に甘いイケメン下っ端スパイをやっていたなぁ〜。そしてあの映画でもテイラーことコリン・ファースが失神もののスーツ姿でスパイをやっていた。やはり、イギリスはスパイでマフィアはイタリアだ、と思う。

『ドラゴン×マックス』では、香港マフィアのマックス・チャンが素晴らしい三つ揃いのスーツ姿を披露してくれた。最高だった。

香港映画は、おっさんのヨレっとしたスーツ姿もあるが、悪役は割とバシッと決めてくる。(ような気がする。イメージ。)

マックス・チャンは、その最高のスーツ姿で、髪一筋乱さず表情一つ変えずに、悪鬼の如き表情の闘神トニー・ジャーと闘うのだ。その絵面の素晴らしさといったら、素晴らしさといったら…ってなんの例えも浮かばないよ!もう、本当に本当にスゴイんだよ〜〜!!

眉無しと所長は本当に良かった。眉無しは若手のようなので今後に期待。

 

この映画ではだれもが何かが欠けており、それは身体的、健康面、精神的、経済面など様々なものなのだが、その欠けた物の為に闘っていた。しかし、闘い方にも色々ある。自分の都合や自分にとっての正義や経済的困窮のために、倫理・道徳を無視して犯罪行為に手を染める者もいれば、どんな苦境に陥ろうとも人の道をはずれず闘う者もいる。

最後の所長とトニー・ジャーウー・ジンの闘いの最中に、トニーの娘が病院を抜け出してバンコクの街中で狼(の幻影?)に出会うシーンがある。狼=野生、つまり人の道に外れた獣の象徴であり、お父さんが命がけで悪と闘っている最中に彼女もまた闘い、そして勝利するというね、泣くわ〜マジ泣けるわ〜〜

 

本当に興奮する、素晴らしい映画だった。

この後、『幸せなひとりぼっち』を見る予定だったが、もう完全にエンジンかかっちゃってそんな気分じゃない。ムリです…

私は映画が終わった瞬間に切り替わるので、全く違うタイプの映画を立て続けに見る事が出来るのだが、これはムリです…

なんというか、『ドラゴン×マッハ』は童貞魂を熱くたぎらせる映画で、大興奮する映画だったのだ。映画が終わっても全く切り替える事が出来ない。

…という訳で、別の童貞映画『マッド・マックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』を見に行ったよ。最高だったよ〜。マジで恰好良かった。鼻血が止まるヒマがないよ〜〜

 

終了間際にようやく『幸せなひとりぼっち』を見る事が出来たので記念かきこ。(使い方あってる?)この映画もいい映画だったので、見逃さなくて良かった。